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雑草、雑草、雑草・・・

日曜日, 4月 24th, 2011

すっかり陽気もよくなってきて、雨なんかも降っちゃたりして、既に畑にある作物は発芽したり、成長に勢いがついてきたりとしていますが、もちろんのこと、作物だけが勢いを増しているわけじゃありません。

作物と同様、時には作物以上に勢いづいてるのが、いわゆる雑草です。

いきなり存在感を増した畝間の雑草、株間の雑草、畑のふちの雑草には、くらくらとめまいがするほど。

ああ・・・。
これを全部刈らなきゃいけないのか・・・。

刈払い機は一応ありますが、畝間、株間のちまちましたところは、刈払い機では無理です。
手刈りでしこしこと刈っていたら、何時間いや何十時間かかることか・・・。
なんとか省力化をはからないとやってけない、と、刈払い機のアタッチメントなんか調べたりしています。

除草剤まきたくなる気持ちが分かるねえ、と時々たそりあ夫とぼやいたりなんかして。

高齢化して跡継ぎのいない農家なんかでは、除草剤無しにはもう農業は無理・・・なんてところも多いんだと思います。

無農薬は安心だけど労力がかかる、農薬は心配だけど便利だ

なんて図式を思い描いていると、このご時世、

脱原発は安心だけど節電しなきゃいけないかも、原発は心配だけど便利だ

というのが並行して連想されてきます。

現代人って心理的にすごくやっかいなものを抱えて生きているのね、なんてため息が出ちゃったりなんかもしますが(もちろん師匠の農場のため息禁止令にひっかからないようにこっそりと)、その間にも畑の雑草は勢いを増すばかり。

もちろん除草剤は使わない。
でも、根性だけで草刈をなんとかしようというのは、根本的解決につながらない。
答えはどこにあるのか、うろうろとする就農1年生です(そろそろ2年生か?)。

旬の野菜情報 2011.4.21 根菜編

木曜日, 4月 21st, 2011

旬の野菜情報、あまりにも長い間サボってしまって、旬というには赤面したくなるようなものも多いですが、前回の野菜情報から新たに出た野菜を一応ピックアップして、更新しています。
ただ、量が多いので、一度にまとめて更新する時間が無く、少しずつ更新をかけていきたいと思います。

今日は根菜編。

カブは冬のカブがすっかり姿を消し、春の小カブが出てきました。

みやま小かぶ
理想覆下小かぶ

どちらも、甘みがあって、味の良い小カブです。
生でカリカリ齧っても、サラダにしても、味噌汁の具にしても、浅漬けにしても、煮物に入れても美味しいカブです。葉っぱももちろん美味しく食べられます。

大根は冬の大根はすっかり姿を消し、春の二十日大根が出てきました。

Great of Sicily
White Hailstone

どちらも外国の固定品種です。
Great of Sicilyはシチリア島の赤い大きな二十日大根、White Hailstoneは珍しい白い二十日大根です。どちらもさわやかジューシータイプです。

カブ、大根だけでなく、冬の根菜はもうすっかり姿を消しました。
三月から出荷していた春の小カブ、二十日大根は、ビニールトンネルの下で、1月に播種して、育てていたものです。
小カブはよく育ちましたが、二十日大根はビニールトンネル栽培との相性が悪かったのか、どうも生育に難があるものが多かったようです。
出荷できなかったものも多数。
今年の失敗は来年にフィードバックです。

原発反対VS原発容認

水曜日, 4月 20th, 2011

ベクレルだのシーベルトだの、
ヨウソだのセシウムだの、
内部被爆だの石棺だの、
昔は知らなかったボキャブラリーが巷を駆け巡り、こんなの知らずに一生を送れてたらシアワセだったんだろうか?なんてちょっぴり考えてしまうこのごろです。

系統的なお勉強はなかなか時間がとれませんが、それでも原発のこと、放射能のこと、機会があれば情報をゲットしようと頑張っています。

大地を耕し、野菜や米を作る農家にとっては、放射能汚染は本能的な恐怖です、多分。
神奈川の新規就農者にとってすらそうなんだから、先祖代々の土地を耕している農家や、ここよりももっと福島に近い農家はさらにせっぱつまったものを感じていると思います。農業だけじゃない、漁業だって、林業だって、牧畜だってそうでしょう(キノコ栽培って林業なんですってね、知りませんでした)。
まわりの有機農家は、そんな底知れないリスクを持つ原発からはもう脱却しなきゃいけないと、ほとんどが思っているようですが、世論はどうなってるんだろう?と気にかかっていました。

聞こえてくる町の意見では、安全性は大事だけど、原発がなけりゃ今の生活はなりたたないんだから、原発を廃するというのは非現実的、みたいなものが多かったからです。

そんな中、とあるBBSで教えてもらったこちらのブログ記事。

http://d.hatena.ne.jp/box96/20110313/1299988959

原子力を推進してきた側の論理と、問題点を提示してきた側の論理を羅列してあります。
電力会社とマスコミの関係などにも触れてあり、初心者の私にとっては、すごく分かりやすくて、よくまとまっていると思われたページです。
この比較羅列自体も面白かったのですが、もう一つ興味深い内容がありました。

実は著者は高校(おそらく都内の)の先生で、この羅列を元に高校生に、自分が原発誘致対象の過疎地域に住んでいると仮定して、原発誘致に対してどういう態度を取るか考えさせる、という授業を行っているのだそうです。

過去に行った授業での結果がこちらの下の方に出てきてるのですが、これが興味深い。

授業で提示された内容を私なんかが見ると、原子力なんてまっぴらご免だと思うような中身なんで、これだと高校生は殆どが原発反対の意見を持つようになるんじゃないかと思ったんですが、現実はそうではなかったんです。

男子では3割が、女子では1割が原発誘致に賛成

なのだそうです。

この男子3割、女子1割の記述を読んで、個人的に目からうろこというか、ああそうなんだとものすご~く納得しちゃったことがあります。
(済みませんが、ココから先、理屈なしで飛びます)

これって、昔だったら、自分の部族が全滅するリスクがあっても、隣の部族に戦争をしかけて略奪を行うか、それとも略奪品によって潤うことのない、かつかつの生活しかできないけど、戦争のリスクをおかすのはやめとくか・・・みたいな対立と一緒じゃないんだろうか?
リスクをおかしてでも成功を目指すとか、リスクをおかしてでも金を稼ぐとか、そういうのってなんとなく男性の方が割合が多そう・・・(済みません、このあたりもデータ無しです、直感のみです)

原発反対VS原発容認、って、実は本能どうしの対立、欲望どうしの対立だったんだ。
感情的に原発反対っていってもしょうがない、もっと科学的に考えなきゃ・・・という言い回し、よく聞かれるようなんですが、でも、これって実は本当のところはつきつめると感情どうしの対立なんじゃないか(感情という言葉はちょっと語弊があるかもしれませんが)? 科学も理屈も論理も後追いでついてくる。

土地だの海だの、自分の足がよって立つところの場所を大切にしたい、という本能と、
土地だの海だのよりも、成功だの繁栄だの便利だのを享受したい、という本能。

土地だの海だの、自分の足がよって立つところの場所を汚されたくない、という欲望と、
成功だの繁栄だの便利だのを享受できなくなるのは嫌だ、という欲望。

(誤解を恐れずに言えば、私は後者の本能、欲望を否定するわけじゃありません。これって、あくまでも人間らしいというか、人間を人間たらしめている側面の一つ(が強烈に出ている)じゃないかと思っているので)

でも、少なくとも科学やデータや理屈で理想的な未来を導き出すんじゃない。
(科学やデータや理屈は大事だし、それを抜きにして議論はできないのは重々承知の上だけど)ものすごく荒っぽく言ってしまえば、まずは本能で未来の方向を個人個人は選んでいる、そのことが男子3割、女子1割の記述から浮き上がって見えてきたんです。

おそらくいつの時代にも似たようなテーマはあったのかもしれません。

原発反対VS原発容認
戦争反対VS戦争容認
どこかもっと良い土地を求めて旅に出るVS貧しくても旅の危険をおかすよりはここにとどまる

そしてそれぞれの時代に世論調査を行ったら、男子3割、女子1割に近い結果が得られたのかもしれません。
なにかものすごく人間の本能的なところに根ざしている対立の型。

問題は現代になるほど、リスクの質がものすごくとんでもなく大きくなっていること。

科学やデータや理屈は議論の上で欠くことができない要素だけど、それだけで議論ができると思ったらきっと大間違いなのだ。
本能や欲望の底をじっと見据えることでしか見えてこないものがきっとあるのじゃないか。

そういうことをつらつらと考えてしまいました。

ため息禁止令

水曜日, 4月 20th, 2011

ブログ、滞っていました。

4月になり、桜が散り、GWに向かってあちこちの庭や公園、そして野原は、百花繚乱の世界です。人間の世界の混乱などそ知らぬごとく。
百花繚乱ということは、いろんな植物がこの陽気で、植物体のスイッチを開花にむけて切り替えてるんでしょう。
開花だけじゃなく、発芽や、成長や、その他さまざまなスイッチが植物によってONされる時期でもあるんでしょう。

というわけで、ゆっくりしてられません。

種、蒔いてないもの
鉢上げしてないもの
定植してないもの
耕うんしてない畑
草刈りしてない場所

あちらからも、こちらからも、早くしてくれえ・・・と声なき声が降ってきます。
正直言って、追いつかないほどの忙しさです。
田んぼも直に始まります。
種籾の準備をして、苗作り、田んぼの耕うん、くろの整備・・・と、水切り、田植えに向かって準備を進めていかなきゃなりません。

そんな中でも原発のことは、ずっとBGMのように、通奏低音のように、重々しくのしかかっています。

その重々しさに、ついついため息が出ます。
ため息が出るのは、たそりあばかりじゃありません。
師匠の農場でも、最近ため息が多すぎると言うことで、ため息禁止令が出ました。
ため息の数をカウントして、ペナルティを課すそうです。どんなペナルティなんだか・・・。

忙しさと晴れない気分のせいで、ブログも滞っていたわけです。

ブログで発信、もう少しペースを戻さないと・・・
時には、重~い、肩肘はった発信もあるかもしれませんが、脈絡めちゃくちゃな内容も出てくるかもしれませんが。
(そうそう、野菜情報の更新もサボってますね、そっちもなんとかしないと)

4月10日、成城学園前でお野菜売ります

木曜日, 4月 7th, 2011

4月10日(日)、成城学園前でお野菜を売る、アグリス成城の直売です。

日時:4月10日(日)10:00~14:00、

場所:アグリス成城入口

思えば、前回3月13日のアグリス成城直売は、地震直後、ガソリン不足の生じる直前でした。
あれから、もう一ヶ月近くも経ったんですね。

今回も前回と同様端境期。
つぼみ菜(菜花)もピークを過ぎてしまいましたが、少しずつ春の葉ものなどが出回りはじめます。
お近くの方、どうぞお立ち寄り下さい。

また、お野菜のお取り置きサービスも行っております。
お買い物したお野菜をお預かりし、直売終了後はアグリス成城売店でお渡しするサービスです(19:00まで)。
昼間お出かけのご予定がある方も是非行きがけにご利用下さい。

直売所で教わったレシピ ゆべし

木曜日, 4月 7th, 2011

少しずつ日常が戻ってきつつあります。
原発がこんな状態で、日常に戻っちゃっていいんだろうか?という思いをたずさえたまま、それでも日常の感覚がじわじわとまわりを浸していきます。
原発がこんな状態であることが日常化しちゃってるんです。

三月は地震と原発と放射能とで明け暮れていきました。
「三月は去る」と言いますが、放射能のことで頭がいっぱいのまま、気がつくと、ろくに畑の作業も進まないまま、三月が去ってしまっていました。
三月を返せ~!
と叫びたくなります。

さて、ゆべしというものは、柚子の皮に材料を詰めて、蒸したり、干したりして作るものだと思っていました。
でも、ゆべしという名前の食べ物は、全国いたるところにあって、中には柚子をまったく使わないゆべしもあるのだと教わったのは、しばらく前、直売所の常連さんからでした。

その常連さんが直売所に差し入れてくれたゆべしは、シンプルだけど、深みのある味で、ついついもう一つ・・・と手が出てしまうような素朴なもち菓子。レシピをねだったら、次には丁寧に書いたメモをいただきました。ありがとうございます。

くるみゆべしのレシピ

材料:玄米もち米の粉 200g
   黒糖      80g
   米あめ     50g
   水       180cc
   しょうゆ    大さじ2
   くるみ     70g(炒って刻む)
   片栗粉     適宜

作り方:
1.黒糖、米あめ、水を鍋に入れ煮とかし、火を止めてからしょうゆを入れ、もち米の粉とくるみも混ぜ合わせる。

2.流し缶に入れ、強火で40分~1時間蒸し器で蒸す(竹串を刺して生地がついてこなければOK)。

3.冷めてからとり出し、切り分けて、片栗粉をまぶして出来上がり。

さっそく作ってみたら(面倒なので、くるみは無し、米あめは砂糖で代用)、簡単で美味しい。
師匠の農場でも大好評。

ところで、この材料の玄米もち米の粉、なかなか手に入るものではありませんが、実は師匠の農場がたまに直売所に売りに出しているもの。
このゆべしを作られる常連さんのように、もち米の粉があると喜んで買っていかれるお客さんもいらっしゃいますが、正直に言ってあまり売れる商品ではありません。
でも、粉にしたもち米は、粒よりも酸化が早いため、できればきちんと売り切りたい。
そうだ、もち米の粉の使い方として、ゆべしを提案してみたらどうだろうか?

そこで、もち米の粉を直売所に持っていく時、試食用のゆべしと、簡単なゆべしの作り方のレシピを用意してみました。
効果絶大!
試食のゆべしは、美味しい!と好評で、レシピを見て、これなら簡単にできそう!と思われたのか、次々に売れたもち米粉。

ちなみに直売所で用意したレシピの材料は、

材料:もち米の粉 200g
   砂糖(きび砂糖、黒糖など) 95g
   水     210g
   しょうゆ  大匙2
   片栗粉   適宜

米あめ、くるみは使わないシンプルバージョンです。
なお、しょうゆの代わりに味噌(梅干大二つくらい)を入れて、味噌ゆべしにしても美味しいです。

レシピを教えていただいて、美味しい、レパートリーが増えた、もち米粉が売れた・・・といいこと尽くめ。本当にありがとうございました。
ちなみに、柚子を使わないゆべしは、東北地方では一般的なんだそうです。
今回教えていただいたレシピも、実は石巻のレシピ。

ということで、3月11日後、案じていたら、ゆべしを教えていただいた常連さんのご実家はやはり被災されたそうです。
幸い命はとりとめたものの、家は浸水、たくさんのものを失ったということ。
大変な避難生活の日々、少しでも早く落ち着いた生活が戻ってきますように・・・。
そして、原発がこれ以上ひどい状態になりませんように・・・。

神奈川県の農産物の放射能濃度は暫定基準値を下回っています。

土曜日, 3月 26th, 2011

今日の鵠沼の直売で、張り出した紙の文句です。

昨日、神奈川県のプレスリリースで発表された、神奈川県の農産物の放射能濃度は、いずれも暫定基準値を下回っていました。
でも、それらの放射能濃度は必ずしもゼロではありませんでした。

http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p163720.html

微量ながらも放射能汚染されている野菜。

これをどうするか、出荷すべきか、否か?
鵠沼の直売を中止すべきか、否か?

鵠沼直売メンバーの農家は悩んだ結果、暫定基準値以下である間は、直売はやろう

ということになりました。

原発がただならぬ事態の変化を見せる中、原発についても、放射能についてもド素人の農家の集団は、どうすべきか判断がつかないのが現状です。
いろんな人の意見を聞き、放射能の解説サイトを読み、結局分かったことは、

誰にもこうだ、ああだ、と決められないのではないか?

ということでした。

もちろん放射能汚染がもっと高いレベルになってくれば、話は違ってきます。
しかし、低量被爆がどういう影響を及ぼすのか、実はまだ定説がない、さまざまな説があるけど決着がついていない、あるいは僅かなリスクに対してこういう態度をとるべきだという指針めいたものは誰も示すことができないのが現状なのではないか・・・。

もう一つ共通にある認識が、

まあ、大人はしゃあないわな。

暫定基準値以下という微量の放射能汚染、不安はあっても、その不安の上に胡坐をかき、贅沢な文明、贅沢な文化を享受してきた大人は、ある意味そういう状況を受け入れるべきではないか・・・

という考えです。

ただ、子供にはできるだけ安全なものを食べてもらいたい。

子供やこれから子供を持つであろう若い人には、できるだけ安全なものを食べてもらいたい。

これも我々の共通の気持ちでした。

とはいえ、一人一人に対して、ああせえ、こうせえと言える立場ではなく、どういう野菜を食べるか、どういう野菜を買うかは、消費者の判断にゆだねる、我々はできるだけ情報は開示はするけど、それ以上のことは今はできない。

で、冒頭の紙(他に野菜は洗ってくださいとか、そういう注意事項も書いてあります)を張り出して、直売を始めました。

いつものように野菜を買いに来てくださるお客さん多数。
励ましてくださる方。
差し入れして下さる方。

でも、終ってみると、やっぱりお客さんは減っているという実感がありました。
特にいつも子供連れで来られるような方、若い方が今日はあまり来られなかったようです。

実は、これ、ほっとしました。
もし、他所で、うちよりもさらに安全な野菜が手に入るのなら、是非そちらをお子さんには食べさせてほしい。
ここよりももっと安全なところに逃げ出せるのなら、逃げ出してほしい。
(実際に、まわりでも妻子を疎開させた、家族で西に引っ越したなど、あれこれ聞きます。)

そうは割り切っていても、ちょっと寂しい気持ちです。
いつものような直売所に戻る日がいつか来るのかしら?
屈託なく、美味しさだけを考えて、野菜を売れる日がいつか来るのかしら?

地震後の鵠沼直売で

日曜日, 3月 20th, 2011

昨日は地震後、初めての鵠沼直売。
どうなるだろうか?
お客さん、来るだろうか?

不安に思って強風の中、用意した直売所には、いつもどおりの常連さんたちが9:30からぞくぞくとお野菜を買いに来てくれました。

大変なときだけど、頑張ってね
という励ましをいただいたり、
直売所だより、面白く読んでます
と声をかけていただいたり、
いつもよりお客さんとの会話の多い直売でした。

たそりあにとって、とりわけ嬉しかったのが、いつも母娘で来られるお客さん。
たそりあはお野菜それぞれに、ごくごく簡単な野菜の説明、食べ方の説明のラベルをつけているのですが、今まで買ったいただいたお野菜のラベルの裏に、そのお野菜を食べた感想や、どうやって食べたかなどのコメントを書いたものを、直売所で私に手渡してくれたのです。
いや、もう、ほんとに、ほんとに、嬉しかったです。
育ててきたお野菜を売る、お野菜について自分の持っているものを発信する、それに応えが帰ってくる。
こんな嬉しいことはありません。
うちに帰ってからも、この20枚近くの紙片を何度も読み直しています。

コメントの中に、最近ちょっとしたてみやげに直売所のお野菜が活躍している、という一文がありました。
お友達へのそのてみやげを発端に、直売所の話や、野菜の話、食や健康や環境のことまで、いろいろと話がはずむそうです。
ささやかな直売所のお野菜が、そこまでひろがりを持っている、そんな大きな力を持っているのだと知って、感激するやら、嬉しいやら。

でも、嬉しい話ばかりではありません。
このコメントを下さったお客さんは東北のご出身、ご実家が宮城県であるだけでなく、仙台空港の近くにお住まいのお姉さんが今回の地震で被災されたそうです。無事を確認できたものの被災地から脱出することもままならぬ避難生活を送っておられるとか。

また、今回の直売所の目玉(?)の一つは、もち米粉でした。
師匠の農場で作ったもち米の粉。もともとあまり人気のない商品ですが、今回はこの粉で作ったゆべしを試食に出してみました。そして、ゆべしのレシピ(すっごく簡単にできるんです)も用意しました。このゆべしが人気で、もち米の粉は完売。

ところで、このゆべし、もとは直売所の常連さんから教わったレシピなんです。
東北地方の胡桃の入ったゆべしを直売所に差し入れしてくれて、レシピも教えてくれた常連さん、地震前まで毎週来られていたのが、昨日は来られませんでした。
東北がご出身と伺っていたので、やはりこの地震で、とても直売所に来れるような状況じゃないのかも、と。

被災されている方が、一日でも早く、少しでも落ち着ける場所に移れますように、心から願わずにいられません。

なお、昨日の直売の売上の10%を義援金として、日本有機農業研究会事務局の被災対策の窓口に送らせていただきます。
(昨日の売上の10%+募金箱に集まった金額は、¥9,470になりました)
日本有機農業研究会事務局の被災対策の窓口については、こちらをご参照下さい。

http://www.joaa.net/moyoosi/mys-90-0317.html

募金いただいた皆様、励ましや心遣いを下さった皆様、そして直売所にお野菜を買いにきて下さった皆様、どうもありがとうございました。

鵠沼直売、再開

金曜日, 3月 18th, 2011

明日の鵠沼直売、やります。

先週の鵠沼直売は地震直後で、大津波警報が出ており、中止になりました。
今週はガソリンが不安な状況ではありますが、なんとかやれそうだし、やりたいと仲間の農家で話し合って、やることに決まりました。

よろしくお願いいたします。

なお、いつも野菜を出荷していたECOMOさんは、しばらく休店ということになりました。
再開のめどは今のところたっていないようです。

一日も早く、元のようにお野菜を売れる日がくることを祈って・・・
とりあえずはできる範囲で頑張ります。

緊急時と平常時

水曜日, 3月 16th, 2011

地震後、初めて買い物に出かけました(今まで時間が無かった・・・)。
100均、ドラッグストア、大手スーパー、銀行ATM・・・。
12:20から停電かもしれないということで、11:30に閉店になるという100均に飛び込んだのが11:26ですから、超特急でのお買い物です。

スーパーの食料品売り場には、平日の真昼間にもかかわらず、たくさんの人が買い物に来ていました。男性が多いのが目立ちましたが、会社がお休みで買出しを頼まれた、なんてケースなのかもしれません。噂に聞くようにカップ麺などのコーナーはがらがら。レトルトカレーなどにも、お一人様一点限定の張り紙が。レジに並んだ人たちの買い物かごを見ると、だいたい三パターンに分かれます。お昼ごはんだけを買いにきた人、食材を買いに来た人、レトルト・インスタント食品を買いに来た人で、この三つ目のパターンが一番多そうでした。一番目と二番目は買い物かごの中身は少なめですが、三番目は山盛りに買いこんでいる人が多いようです。生鮮食材を調理している家庭では、停電で冷蔵庫での保存に不安が出てくるため、少量ずつこまめに補充しているのかもしれません。

食料も足りるとは言え、東北・北関東を産地とするものは、流通に乗らなくなるでしょう。魚介類なども東北の漁港を基地にしている漁船が多いため、流通がぐんと減ることが予想されています。(一番怖いのは、原発の状況がもっとひどいことになり、多くの土地が食料生産できなくなることですが・・・)
阪神大震災では、都市の間に入り組むように農地があったため、救援が届くまでそういう地元の野菜が被災者をサポートすることができた、という話を聞きました。緊急時には地元の食材が重要になってくるケースが少なくないと思います。そういう地元の食材もふだんから地元の人たちに支えられてこそ育っていけるもので、そういう意味で緊急時というものは平常時の延長にあるものなんだと思わせられます。

昨日はたそりあもガソリンの残りを気にしながらお野菜配達。
まずはECOMOへ。
ふだんは売れ残ったお野菜はこちらで引き取るのですが、しばらくは全量買取にさせてくださいとECOMOのスタッフさんから申し出がありました。多少古くなってもまだちゃんと食べられるお野菜、いつ誰かの役に立つかも分からない状況なので、と。
節電で薄暗い店内で、お客さんも少ないですが、ECOMOのスタッフの方々は頑張って働いていらっしゃいます。
そんなにたくさんではありませんが、地元の無農薬のお野菜があります。藤沢市、茅ヶ崎市など、お近くの方はご利用下さい。

それから、昨日は二軒のイタリアレストランにお野菜配達。
なんでも美味しく調理してしまう江ノ島のカフェジリーノさんは去年夏に開店したばかりのお店ですが、今回のことでお客様のキャンセルが続出しているそうです。
たまあにふらりとお野菜を持っていく、本厚木のフィーコディンディアさんも美味しいシチリア料理を出すお店ですが、やはりキャンセル続出で、それでもいつお客さんが来るかと準備しているそうです。
そういえば、ECOMO内のレストランploufもお客さんは少ないようでした。

こんな状況の時に外食なんてとても・・・と思われる方が多いのでしょう。
でも、ふっと思いました。
食べることは基本です。
地震が起きようと、停電になろうと、生きている限り食べていかなきゃいけないんです。
そこで、スーパーのレトルト食品を買いこんで食べるのなら、何日かに一度でもいい、近所のちゃんとしたお店でご飯を食べて栄養補給してもいいんじゃないか?
って思うんです。
こんな状況だからこそ、もし時間などに余裕のある方は、ちゃんとしたお店で外食されてみてはいかがでしょうか?
平常時に、その町の食文化を支えてきたお店も、こういう緊急時にいろんな方のサポートがなければ死活問題なんです。
停電でもやっておられるお店は少なくないかもしれません。
(現に、近所のレストラン併設の自然食品店は店の外で玄米おにぎり売りながら、レストラン?やってますよ、停電になるけど、やってますよ、と言ってました。たくましい・・・)