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Archive for the ‘農地’ Category

スーダングラス

水曜日, 8月 25th, 2010

しばらく前にブログ記事 土壌分析ほんとにリン酸が少ないんだろうか? で、

 作物の育ちが悪い畑がある

 土壌分析してもらったら、リン酸、カルシウム、マグネシウムの含有量が極度に低いということが分かった

 でも、単にリン酸を補給すればいい、というだけの話なんだろうか?

という話を書きました。

リン酸については、ただ外から補給するのではなく、土壌分析の値に現れない隠れリン酸を有効利用する方向を考えた方がいいのでは・・・という考えに収束していったのですが、同じことがカルシウム、マグネシウムについても言えるんじゃないだろうか?と思い始めています。

土壌分析には、その畑の問題を解決するためには、こういう肥料を何kg投入しなさい、というアドバイスが載っています。
その数値に従って計算してみると、カルシウム不足、マグネシウム不足を解消するためには、カルシウムやマグネシウムが5割以上入った肥料(20kg袋)を何袋も投入しなければいけなくなってしまいます。

ほんとにそんなに投入する必要があるんだろうか?

お隣の畑はなんの問題もなくて、うちの畑ではマグネシウムの塊みたいなものを何十kgも入れなきゃいけないほど、土の違いがあるもんなんだろうか?

あるにしても、それは畑の表層だけの問題なんじゃなかろうか?

ある土地がかなりの深さにわたって隣の土地と成分がまったく異なってしまう・・・というのは、ちょっと不自然な気がします。
表層だけなら、それまでの畑の経緯によって、かなり差が出てくることは考えられるのですが。

もし、深いところには隠れカルシウムや隠れマグネシウムがあるのなら、それをもっと生かしてやることができないんだろうか?

深いところの資源を地上に持ってきてくれる代表格は植物です。
植物は種によって、いろいろな深さのところから、いろいろなものを吸い上げて、地上に持ってきてくれます。

その性質を有効利用したものの一つが緑肥です。

そこで調べてみると、こんなのが見つかりました。

http://to-noken.ac.affrc.go.jp/DB/DATA/027/027-163.pdf

前提が塩基が過剰になった土壌からどうやって塩基を除去するかというのが目的なため、うちのケースとちょっと違いますが、スーダングラスという緑肥がソルゴー、トウモロコシに比べて、カルシウムやマグネシウムの吸収が大きいという結果があるのだそうです。
ということは、スーダングラスを緑肥として植え、育ったらすきこんでやるということを繰り返せば、そのうちカルシウム、マグネシウムの量も増えてくるんじゃないでしょうか?

そこで、買いました!
スーダングラスの種。

これを問題の畑のあちこちに蒔いてみようと思います。

ただ、これだけでは時間がかかるので、多少はカルシウム、マグネシウムの投与も最初はやった方がいいかなと、牡蠣殻石灰を少しずつまいています(マグネシウムについてはまだ)。

スーダングラス、効果があるか?

ほんとにリン酸が少ないんだろうか?

金曜日, 8月 6th, 2010

ちょっと前のブログ記事 土壌分析 で、

 作物の育ちが悪い畑がある

 土壌分析してもらったら、リン酸、カルシウム、マグネシウムの含有量が極度に低いということが分かった

という話を書きました。

この結果を見て、さあ、大変、リン酸、カルシウム、マグネシウムをなんらかの形で畑に投与しなければ・・・と思ったのですが、その後いろいろ調べていくうちに、そういう単純なことでいいんだろうか?と思い始めました。

最初のきっかけはリン酸の値です。

私は土壌分析のリン酸の値は、土壌に含まれる全てのリン酸の値だと思っていたのですが、そうじゃないかも・・・。
いろいろ調べてみると、土壌分析のリン酸の値は、可吸態リン酸と呼ばれるものの含有率であることが多いようです。

リン酸は土壌の中でいろんな形態をとっています。

1.カルシウムとくっついたリン酸
 カルシウム型リン酸と呼ばれています。植物の根っこから吸収されやすい形のリン酸です。

2.水に溶けやすい水溶性のリン酸
 土壌溶液リン酸、水溶性リン酸と呼ばれています。水に溶けて植物に吸収されやすい一方、水とともにどこかへ流れて失われやすい形のリン酸です。

3.アルミニウムや鉄とくっついたリン酸
 アルミニウム・鉄型リン酸と呼ばれています。この形のリン酸は植物に吸収されにくく、酸性土壌では特にこういうタイプのリン酸が増えやすいとのこと。

4.微生物にとりこまれたリン酸
 有機態リン酸と呼ばれています。植物の根っこにくるまれた状態のリン酸も同じように扱われています。こういう形のリン酸は、アルミニウムや鉄とくっつくこともなく、微生物が死んで分解されると徐々に土壌に放出されてゆきます。堆肥をたくさん使った畑(微生物の多い土壌)に多いタイプのリン酸です。

上の四つのうち、1と2がすぐに植物が吸収可能なリン酸ということで、可吸態リン酸と呼ばれています。
土壌診断で計測されるのはだから、1と2のリン酸値の合計(おそらく)。
うちの畑で値が低いのも、1と2の合計。

逆に言うと、3と4はひょっとしたらあるかもしれない。
正直、4はそんなに多くないかもしれません。何年も何もしていなかった、堆肥とかも投入していない畑なので、自然に草を分解する微生物はそれなりにいるのかもしれませんが、とりたてて多いわけじゃないのかもと思っています。
でも、3はけっこうあるかもしれません。

植物がすぐに利用できる形のリン酸は少ないのかもしれないけれど、隠れリン酸はひょっとしたらあるのかも?

というのが、いろいろ調べて到達した結論です。

そして、土壌分析の結果「カルシウムが少ない」というのが、さらにこの結論と結びつきます。
カルシウムが増えれば、隠れリン酸が1.のカルシウム型リン酸に転じるのでは?
単にリン酸を投与するというのではなく、土壌の隠れリン酸をなんとか生きたリン酸の形にしてやる方が自然なのでは?

そういう考え方にどんどんと傾いていったわけなんです。

さらに、さらに、堆肥や未分解の有機物をうまく使ってやれば、土壌に微生物が増えていって、4.の有機態リン酸が増えるのでは?
これは、土壌診断のリン酸値にはなんら貢献しませんが、大事なのは値ではなく、植物が適度なリン酸を利用できるかどうかということです。そういう意味で、少しずつリン酸を放出してゆく有機態リン酸というのは、一番理想の形なのかもしれません。

そう考えてくると、土壌診断の結果を見て、慌ててリン酸をがんがん畑に投与するのは、ちょっと見送ろうという気持ちになってきました。

まず、カルシウムを増やすことを考える。
それから、これは今でも恒常的に努力していることなんですが、土壌の微生物を増やすことを考える。

この二つをやっても、改善されなかったら、その時に始めてリン酸投与を考えてみる。

というのでもいいんじゃないかなあ。

土壌分析

日曜日, 8月 1st, 2010

農園たそりあが現在借りている土地の中で、作物の生育が今ひとつ良くない農地があります。
草ぼうぼうのしばらく耕されていない土地は、もちろんのことそれなりの農地にするためには手間と時間がかかるものですが、どうもそれだけではない生育不良。

雑草さえも育ち方がいじけて、全体に黄色くなったりしていましたし、堆肥をまいて野菜を育てても、作物の背丈が伸びません。
トウモロコシの葉色も黄色く、背丈がかなり小さいままで雄花が咲き始めました。
ナスもトマトもインゲンも背丈が全然伸びてくれません。
それでも花がつき、実がつくものが少しずつ出てきていますが、ナスもトマトもあまり美味しくないんです。

そこで、この農地の土壌を分析に出してみることにしました。

土壌分析用の土壌サンプルの採取はけっこう面倒です。
農地の数箇所から指定の深さの土を採取し、それをひろげてからからに乾かしてから、分析に出します。
土壌サンプルを用意するのにも日数がかかり、分析の結果が出るのにも幾日か。

ようやく出てきた結果は、

pH:適正
窒素:適正
カリ:適性

なんですが、

リン酸、カルシウム、マグネシウムが非常に不足している!

というものでした。

荒っぽく言えば、ミネラル不足。
確かに調べると、こういうミネラル不足では葉が黄色くなったり、成長が阻害されたりすることがよくあるようです。

では、対策は?

師匠の農場に行って、ご意見を仰いでみました。

リン酸は鶏糞や米糠に多いが、やはり米糠が良いだろうとのこと(鶏糞の使いすぎは窒素過多などの弊害を起こしやすいから?)。またグアノという海鳥の糞の堆積物を使うこともあるそうな。

カルシウム不足には、牡蠣殻などを使うが、そのままでは効果は少ない。焼成牡蠣殻のようにカルシウムが溶けやすい処理をしたものを使う必要があるとのこと。

マグネシウム不足は一番難しい。有機栽培でなければ苦土石灰などを入れるのが一番手っ取り早いが、そういうのを使わないとなると有機栽培用のものでマグネシウムを多く含むものを探してこなければならないとのこと。

個人的には、マグネシウム対策には苦汁とか海草などでもいいのかなあ?と思うのですが、値段や入手しやすさ、施用しやすさ、効果などいろんな側面から選ぶ必要があるかもしれません。

ともかく、今のままではとても売れるような作物は殆どできないので、対策は必須。
悩ましい夏休みの宿題みたいです。

農地、新たにゲット!

月曜日, 7月 26th, 2010

藤沢に隣接するA市の農地が借りられることになりました!

春にA市の農業委員会に農地取得の相談に行った時に提示され、申し込んでおいた農地なのですが、実は

A市では、新規就農者が農業委員会を通じて農地取得を行った前例が無い!

ということで、どーしたらいいのか、今後のためにどーすればいいのか、みたいな審議がいろいろ長引いたようです。
何度も農業委員会その他が開かれ、審議した結果、今日の委員会でとうとうOKと決まりました!
いろいろな方のお力添え、ご尽力あってのOKです。
また、今後のA市での新規就農者にとっての前例となる貴重なOKです。

今からなら秋作になんとか間に合う。
新しい農地は、秋冬のアブラナ科をいっぱい植えたいなあ。
でも、小麦もやりたいし、レイアウトを急いで考えなきゃなりません。