直売所で教わったレシピ ゆべし
少しずつ日常が戻ってきつつあります。
原発がこんな状態で、日常に戻っちゃっていいんだろうか?という思いをたずさえたまま、それでも日常の感覚がじわじわとまわりを浸していきます。
原発がこんな状態であることが日常化しちゃってるんです。
三月は地震と原発と放射能とで明け暮れていきました。
「三月は去る」と言いますが、放射能のことで頭がいっぱいのまま、気がつくと、ろくに畑の作業も進まないまま、三月が去ってしまっていました。
三月を返せ~!
と叫びたくなります。
さて、ゆべしというものは、柚子の皮に材料を詰めて、蒸したり、干したりして作るものだと思っていました。
でも、ゆべしという名前の食べ物は、全国いたるところにあって、中には柚子をまったく使わないゆべしもあるのだと教わったのは、しばらく前、直売所の常連さんからでした。
その常連さんが直売所に差し入れてくれたゆべしは、シンプルだけど、深みのある味で、ついついもう一つ・・・と手が出てしまうような素朴なもち菓子。レシピをねだったら、次には丁寧に書いたメモをいただきました。ありがとうございます。
くるみゆべしのレシピ
材料:玄米もち米の粉 200g
黒糖 80g
米あめ 50g
水 180cc
しょうゆ 大さじ2
くるみ 70g(炒って刻む)
片栗粉 適宜
作り方:
1.黒糖、米あめ、水を鍋に入れ煮とかし、火を止めてからしょうゆを入れ、もち米の粉とくるみも混ぜ合わせる。
2.流し缶に入れ、強火で40分~1時間蒸し器で蒸す(竹串を刺して生地がついてこなければOK)。
3.冷めてからとり出し、切り分けて、片栗粉をまぶして出来上がり。
さっそく作ってみたら(面倒なので、くるみは無し、米あめは砂糖で代用)、簡単で美味しい。
師匠の農場でも大好評。
ところで、この材料の玄米もち米の粉、なかなか手に入るものではありませんが、実は師匠の農場がたまに直売所に売りに出しているもの。
このゆべしを作られる常連さんのように、もち米の粉があると喜んで買っていかれるお客さんもいらっしゃいますが、正直に言ってあまり売れる商品ではありません。
でも、粉にしたもち米は、粒よりも酸化が早いため、できればきちんと売り切りたい。
そうだ、もち米の粉の使い方として、ゆべしを提案してみたらどうだろうか?
そこで、もち米の粉を直売所に持っていく時、試食用のゆべしと、簡単なゆべしの作り方のレシピを用意してみました。
効果絶大!
試食のゆべしは、美味しい!と好評で、レシピを見て、これなら簡単にできそう!と思われたのか、次々に売れたもち米粉。
ちなみに直売所で用意したレシピの材料は、
材料:もち米の粉 200g
砂糖(きび砂糖、黒糖など) 95g
水 210g
しょうゆ 大匙2
片栗粉 適宜
米あめ、くるみは使わないシンプルバージョンです。
なお、しょうゆの代わりに味噌(梅干大二つくらい)を入れて、味噌ゆべしにしても美味しいです。
レシピを教えていただいて、美味しい、レパートリーが増えた、もち米粉が売れた・・・といいこと尽くめ。本当にありがとうございました。
ちなみに、柚子を使わないゆべしは、東北地方では一般的なんだそうです。
今回教えていただいたレシピも、実は石巻のレシピ。
ということで、3月11日後、案じていたら、ゆべしを教えていただいた常連さんのご実家はやはり被災されたそうです。
幸い命はとりとめたものの、家は浸水、たくさんのものを失ったということ。
大変な避難生活の日々、少しでも早く落ち着いた生活が戻ってきますように・・・。
そして、原発がこれ以上ひどい状態になりませんように・・・。
.…
ñïàñèáî çà èíôó!…