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Archive for the ‘虫’ Category

消えゆくニンジン

木曜日, 9月 23rd, 2010

ニンジンは夏に蒔きます。
夏に蒔いて、少しずつゆっくりと大きくなって、年末、冬、そして早春に香り高いニンジンが育ちます(うまくゆけば)。

ニンジンは発芽に水を必要とします。
発芽するまでは水が欠かせない、いったん発芽モードに突入したら乾かしちゃいけない野菜です。

ところで、今年の夏はご存じのように、暑い夏でした。
雨の少ない夏でした。
畑のある場所は、何週間も雨が降らない日が続きました。
雨が降るときにニンジンを蒔こう・・・なんて自然本願な考えは踏みにじられるくらい、暑くて乾いた夏でした。

しょうがないので、炎天酷暑、からからの畑にニンジンの種を蒔きました。
そして、毎日軽トラにタンクを背負って、ジョウロで水遣りをしました。
以前にも書きましたが、これがまた大変な作業なんです。
朝夕2回ともなると、労力も時間も食う作業です。

でも努力がむくわれて、ニンジンの発芽が見られた時には嬉しかったですねぇ。
その頃からたまに雨も降るようになりました。
これで一安心。

でも、農業に一安心なんて言葉は無い!(のかもしれません)

なぜか、日々観察するニンジンの双葉が少しずつ減っているようなんです。
ようく見ると双葉が喰われているものがある!
他の研修生仲間の農園でもニンジンがどんどん消えてゆくという声がありました。

最初はマメハンミョウの仕業かと思いましたが、いくら数があってもあのニンジンのちっちゃな双葉がマメハンミョウの旺盛な食欲を満たすのに効率的だとは思えません。
そのうちに、たまたま、ニンジンの葉が喰われているその現場を目撃!
犯人はマメハンミョウではなく、オンブバッタでした!

今やオンブバッタの襲撃を防ぐすべもなく、ニンジンの作はほとんど喰われつくされてしまいました。
あの連日の大変な水遣りはなんだったんだ!?と悔しい思いでいっぱいです。

悔やんでばかりいてもしかたないので、もう一度種を蒔くことにしました。
もう9月になってしまい、蒔き時ではないのですが、小さなニンジンくらいできるかもしれません。物は試しです。後学のための実験です。
翌日からは雨という稲刈りと同じ日にニンジンを蒔きました(幸い品種を問わなければ種は相当量余っていたので)。
また翌日からの雨とともに気温もがくっと下がるそうです。暑さ寒さも彼岸まで。気温が下がれば、虫の活動も少しは下火になるでしょう。

がんばれ、ニンジン!

絶滅危惧種?

金曜日, 9月 17th, 2010

就農一年目のこの夏、農地の開墾(?)作業のかたわらで育てた夏野菜は、当然のことながら十分なケアもできず、技術不足もあって、豊作とは言い難かったのですが、そういう人為的な要因以外にも夏野菜を襲ったものがありました。

虫です。

113年ぶりの暑い夏・・・とかなんとか新聞に書かれていたような気がしますが、この暑さのせいか、今年は虫害がひどかったんです。

豆類にはカメムシがたかりました。
よく見かける緑色の五角形だか六角形だかのカメムシ以外にも、茶色い細長いなんとなく嫌らしい感じのカメムシも大発生。
枝豆もずいぶん汁を吸われました。
(カメムシに吸われた枝豆は実が痩せるだけでなく、不味くなってしまうんです。とても食べられたものじゃありません)
ササゲも緑豆も吸われました。
緑豆も最初の収穫時には、小粒だけれど、丸々つやつやと、翡翠もかくやと思うばかりのきれいな豆が採れたんです。
ところがカメムシ発生直後は緑豆のそばを歩くと、お食事中のカメムシが一斉に飛び立ち、その数はちょっとやそっとのものじゃありません。収穫した豆もひしゃげて、萎んで、色が汚く変わったものが殆ど。
十六ササゲもカメムシ被害のひどかったところは、莢がいじけてしまいます。

カメムシ以外にも大繁殖した虫がいました。

黒い胴体に白の細嶋、赤い目玉のその虫は、ちょっとお洒落で、ホタルを連想させます。

ところがこいつがとんでもないやつで、ナス科の葉っぱなどを片端から食い尽くしていくんです。
一番ひどい畑は、トマト、ナス、雑草のイヌハオズキに至るまで、丸裸にされてしまいました。

師匠に聞いたら、何年か前にもこの虫が大発生したそうで、その時虫に詳しい人に訊いたら、なんと絶滅危惧種の虫だと分かったんだそうです。

ぜつめつきぐしゅぅ????

あれだけ大群で旺盛に食い荒らしていく虫のどこが絶滅危惧種???

その後、たそりあ夫がたまたまネットでこの虫の名前に遭遇しました。

マメハンミョウ

というんだそうです。
いわゆるハンミョウと呼ばれている虫ではなく、ツチハンミョウという虫の方の仲間なんだそうです。
気をつけなきゃいけないのは、このマメハンミョウは毒を持っていること。
体液にカンタリジンという猛毒を含み、この毒に触れると水ぶくれができるのだそうです。内服すると僅かな量で死に至るというこわ~い毒です。
くれぐれも素手で潰したりしないよう!(たそりあ夫は知らずに今まで何匹も素手で潰しちゃってましたが、運が良かったのか何も起きませんでした)

マメハンミョウは幼虫の時は、イナゴやバッタの卵を食べるのだそうです。
農薬の使用でイナゴなどが激減したことが、マメハンミョウの激減、すなわち絶滅危惧種指定につながったとか。
けれども、イナゴやバッタも最近復活の兆しがあり、それにともないマメハンミョウが繁殖する機会も増えてきているのだそうです。
成虫になったマメハンミョウは、肉食じゃなくなり、草食性です(肉食のままでいてくれれば益虫扱いしてもらえたのに)。
名前のマメが示すように、マメ科の葉っぱを食い荒らすことが多いのだそうですが、ナス科やニンジンの葉もターゲットにするのだそうです。

!!!

そういえば、発芽したばかりのニンジンの芽が喰われているのか、どんどんなくなっている畑があるんです!
あれもマメハンミョウの仕業???

この畑ではマメ科の大豆やササゲをいっぱい植えているのですが、なぜかマメハンミョウはナス科ばかりを狙っています。
ひょっとすると、マメ科の作物にはすでにカメムシが先客としているので、棲み分けをしているのでしょうか?

トマトやナスは諦めましたが、ニンジンの発芽がマメハンミョウに食われているとしたら、頭の痛い問題です。
農薬以外でいい対策はないのかしら?
ナス科の作物では、でっかいクモが張った巣にマメハンミョウの死骸らしきものが数個ひっかかっていましたが、この程度ではあの大群に太刀打ちできません。
手でつかまえようとすると、飛び立たずに、ぽろりと下へ落ちるんですね。地面に落っこってやりすごすというタイプです。

天敵はいないのか?
バンカープランツはないのか?
嫌がる臭いとかはないのか?

なにか良い方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい!