野菜の包装に思うこと
木曜日, 10月 28th, 2010農・未来塾を控えて、忙しい日々が続いています。
今年はあろうことか、石窯ピザをやろう、なんてことになっちゃって(言いだしっぺはたそりあ夫ですが)、できるのか、そんなもん、簡単に!?
と焦っております。
まあ、石窯作るのはたそりあ夫なんで、たそりあ妻は、ピザ生地、トマトソース、その他の担当+傍観者です。
うまくいけば、農・未来塾に来られる方は、おいし~いピザが食べられますが、うまくいかなければピザのピの字も出てきません、悪しからず。
それ以外にもたそりあ妻はクッキーなんかも焼いちゃったりします。
ハーブティーも用意します。料理に使うハーブも摘んできます。
(このあたり、たそりあのハーブをいろんな人に知ってもらおうという、師匠のお母さんのお計らいです。ありがとうございます)
忙しい合間を縫って、直売などの出荷も通常通り行います。
たそりあも、就農したての頃に比べて、いろんな直売所などに野菜を出すようになりました。
いくつかの直売を経験すると、あるいは他の人の経験を見聞すると、直売所や直売イベントの方針もさまざまなんだなあと思います。
それを顕著に感じるのが野菜の包装です。
野菜を売る時に、よく包装に使われるのがボードン袋と呼ばれるものです。
透明なポリ袋にところどころ小さな穴があいているものです。
完全密閉にならないため、通気性が確保でき、中で蒸れたり、ポリ袋の内側が水分で曇ったりすることが少ない袋です。曇らないため、中の野菜がクリアに見え、なおかつ鮮度を保ちやすい。ちなみにボードンという名前は漢字で防曇と書くのだそうです。
直売所では、見栄えを重視するところも多いです。
ボードン袋に入れないと、すぐに野菜がしなびてしまう、野菜についた泥がまわりを汚してしまう、トマトのような潰れやすいものが潰れた時には、他の出品者にも迷惑をかけてしまうなど、さまざまな理由から、この袋の使用が推奨されているところが多いのです。
一方、野菜のパッケージ一つ一つに、こういう使い捨ての工業製品を使うことへの抵抗もあります。なにせ最近はエコブームなんです。
極端なケースでは、ボードン袋禁止という直売イベントもあります。
そういう場合は、新聞紙などが使われます。新聞紙でくるむ、紙袋に入れる、量り売りをする、などで非ボードン袋に対処することになります。
でも、最初から新聞紙にくるんだ野菜は、消費者には全貌が明らかではありません。葉っぱの様子、野菜の鮮度、目で見て確かめたいところがよくわからないことも多いのです。
ではと、むきだしで野菜を並べ、お買い上げの時に新聞紙でくるむという方法もありますが、これだと野菜の鮮度が保ちにくい。
野菜、特に葉ものは、むきだしで風にさらされていると、どんどん水分を奪われ、しなびていきます。これをある程度でも防ぐためには、霧吹きなどで葉水をかけるなどする必要が生じます。
量り売りもけっこう面倒なんです。お客さんが少ない時はいいんですが、何人かのお買いものが重なっている時に、量り売りの野菜が多いとパニックになりそうです。
昔の八百屋さんなんかは、ざるにいろんな野菜を載せて、お買い上げとなると、それを新聞紙にくるんでいたように思います。
野菜を売るプロだから、鮮度を気にし、葉水などの対策も欠かさなかったんでしょう。
そういうノウハウを真似できればいいのでしょうが、たいていの直売はスペースが限られています。お買い上げ単位ごとにざるに載せて並べる余裕はまずありません。売る側は農家ですから、八百屋としての修業を積んでいるわけでもありません。
私自身も野菜ひとつひとつにボードン袋を使うのには、いくばくかの抵抗があります。
でも、やはりお客さんには野菜の鮮度や様子を、その目で確かめて見てほしいとも思います。
ボードン袋に入れずに売り場に出し、しなびて売れなかった場合、割を食うのは生産者でもあります。
現時点では、ボードン袋を使わないという方向は、生産者へのしわ寄せで対処しているという部分が大きいようにも思われます。
野菜の鮮度を保ち、消費者が野菜をよく見れる、それでいてエコで、低コスト(金銭的にも労力的にも)な野菜の包装、そんな素晴らしいものが開発されてくれたならば・・・。