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Archive for 9月, 2010

堆肥場に咲いた白い花

水曜日, 9月 29th, 2010

これ、何だと思いますか?

剪定枝堆肥を積んでいる場所に生えた茸です。
名前は分かりませんが、真っ白で、大きくて、堆肥がえぐれて洞窟のようになったところに傘を開いているさまは、とてもきれいでした。

厳しい残暑や水不足や虫害や消えてゆくニンジンや発芽しないキャベツのことを忘れて、自然の美しさになごむ一瞬です。

野菜の常識をくつがえそう!

月曜日, 9月 27th, 2010

先日の鵠沼の直売には、ひもとうがらしを持っていきました。

奈良の在来種の辛くないししとうで、細長い形がちょっとユニークです。
でも、ししとうの中には時々辛いものが出てくるように、今年のひもとうがらしは辛くなってしまったものが殆ど。
夏の暑さが厳しかったせいか、雨が殆ど降らなかったせいか、虫が多かったせいか・・・。
それでも秋になってようやく殆ど辛くない実がなる株がいくつか出てきたので、そういう株を選んでひもとうがらしを出荷したわけなんです。

直売所でそういう事情をお話しして、ひょっとしたらちょっと辛いかもしれないけど、できるだけ辛くないものを選んできましたので・・・とご説明申し上げたら、思わぬリアクションが・・・。

辛いのも是非売って下さい!

辛いのは、辛いなりにいろいろと料理の使い道があるのだそうです。そしてそのお客さんはむしろ辛みのある方が欲しいとのこと。
言われてみればそうです。
辛いから食べられないわけじゃありません。
しかも人間は昔からわざわざ辛い唐辛子なんかを栽培して料理に利用してきたんです。
唐辛子ほど辛いわけじゃないけど、適度な辛みのあるししとう・・・十分に食材として成立します。

ししとうはこうじゃなきゃいけない。っていう思い込みが知らず知らずの間に染み込んでいたようです。
ししとうだけじゃありません。
いろんな野菜に対して、こうじゃなきゃいけない、こうなったらもうお客さんには出せない、という思い込みがあちこちにあるんです。

キュウリは育ちすぎて太くでっかくなったら出荷できない。
(ところが太くてでっかいキュウリって味が出て美味しいんです。農家さんでは、こういうキュウリを好む人も多いんです)

サヤエンドウやササゲは若採りしたものじゃないといけない。
(ところがエンドウや十六ササゲは少し豆が太ってきたくらいの方が美味しいんです。豆の旨みや莢の甘味が増えるんです)

ニラやフェンネルは葉っぱを出荷するものである。
(フェンネルの花は葉っぱと同じような良い香りがあって、料理やお菓子のアクセントにぴったり。ニラの花もこの間はじめて食べてみましたが、ニラの香りがたっぷりでこれがまた美味しいんです)

オクラはできるだけ若いものがいい。ちょっとでも大きくなってきたら出荷しない。
(確かに硬くなってしまうと食べられませんが、オクラはむしろ大きめの方が味が良くなるようです)

***はこうじゃなきゃいけない、こうなっちゃったらもう出荷できない。

この縛りはいったいどこから出てきたのでしょう。
巷にあふれている野菜の本などにも買う時の選び方なんてのがいろいろ書かれていますが、そういう画一化が進んでしまったからなんでしょうか?
農家でないと、なかなか育ちすぎた野菜や出荷されない部位を食べる機会はありません。
本に***を買う時にはこういうものを選びなさいと書かれていると、比較するすべもないまま、そういうものかと思ってしまうことも多いでしょう。

もう一つ出荷する側からすると、リスクというものがあります。
オクラにせよ、ササゲにせよそうなんですが、ある程度育ったものの方が美味しい、でも一線を越えると硬くなってしまったり、筋張ってしまったりで、いきなり食べられなくなる、その境目が外見から分かりにくい、ということがよくあります。
勢い、安全側にたおして若めのものを出荷。それが根付いた。ということもあるかもしれません。

たそりあは、「たがやして そだてて りょうりして あじわう」というその由来に込めたように、最終的に味わうことを念頭に置いています。そのために、野菜の常識に縛られず、美味しいものを美味しいと思われる時期に収穫して、美味しい食べ方を提案していきたいと思ってきました。
でも、今回のししとうの件では、常識に縛られている自分を再発見。
いろいろな野菜の世界を開いていくためには、いろんな人の味覚やとらえ方ももっともっと参考にしなければと思いました。

直売所は、そういういろんな方の野菜に対するとらえ方を教えてもらえる場所でもあります。
是非みなさんも、こういうふうになったのが美味しい、こういうのも食べてみたい、常識をくつがした見方をいろいろと教えて下さい。

お客さんに教わったレシピ 日本南瓜と辛いししとう

日曜日, 9月 26th, 2010

昨日、土曜日は鵠沼の直売

接客下手なたそりあ妻も少しずつ直売所に慣れてきました。でも、まだまだトークも気遣いもだめだめなんですが。

それでも、うちのお野菜を前回買って美味しかったから、と買ってくださるお客様がいらっしゃったりすると、わあいわあいと内心大喜びしています。
昨日もキュウリの青大十角ヘチマ、オクラのダビデの星が美味しかったからとリピーターが。ありがとうございます。

昔懐かしいキュウリの味がする青大のリピーターさんによると、このキュウリは、味噌汁に入れると美味しいんだそうです。

ところで鵠沼の直売では、別の農家さんが最近日本南瓜を出しています。でも、日本南瓜って今一つ評判がよくないんですね。

甘くない、水っぽい、西洋南瓜のようなホクホク感が無い。

でも、この日本南瓜って和風のだしで煮るととっても美味しいんです。そこで日本南瓜の煮付けのレシピを南瓜の横に置いておくことにしました。
そうしたら、お客さんから日本南瓜の煮付けのバリエーションを教えていただきました。

よくあるバリエーションは鶏そぼろのあんかけ。
鶏の挽肉なんかで作ったあんを日本南瓜の煮付けの上からかけるという料理で、これはあちこちのレシピでも見かけます。
今回教わったのは、鶏の挽肉の代わりに、カジキ、メカシキなどのお魚を使うバリエーションです。カジキ、メカジキなどをほぐしてあんにしたものを日本南瓜の煮付けの上からかけるというレシピ。
日本南瓜は淡泊な旨みが主体だから、動物性の味と合わせると美味しそうですが、お魚のあんというのが面白い視点です。メカジキなんかも旨みの濃い魚ですから、とっても合いそう。

そして、もう一つ教わったのが辛いししとうを使った料理。

今年のたそりあの畑のししとうは辛くなってしまったものが多かったんですが、そういう辛いししとうを使った料理を教わりました。
ししとうを細かく切ったものを醤油にしばらく漬けておきます。
そのししとう入り醤油でカツオなどのお刺身を食べると美味しいんだそうです。
刺身を食べる時に薬味にニンニクとかショウガを使いますが、そういう薬味の代わりになるんだそうです。
なるほど。
目うろこです。
辛いししとうはその辛さを生かしてやればいいんですね。

というような話を、たまたま夜お会いした、たそりあ夫のかつての研修仲間であるみらくる農園の当主にしましたら、もう一つ辛いししとうのレシピを教えていただきました。

辛いししとうを細かく切ったもの、ネギを細かく切ったもの、味噌、醤油を混ぜ合わせて練り練りします。
これがご飯のともにぴったり(おそらくお酒のおともにも)。

いやあ、どちらも美味しそう。
そして、何より簡単なところがグーです。
(農業は忙しいんです。もう最近手抜き料理ばっかりで・・・)

レシピを教えていただいた方々、どうもありがとうございました。
皆さんも直売所で是非マイレシピを教えて下さいね。

旬の野菜情報 2010.9.24

金曜日, 9月 24th, 2010

野菜情報の更新です。

秋野菜はまだ育っていませんが、夏のはじめに蒔いたレタスを出荷しています。
また定植の遅れたパプリカに少しばかり収穫が。唐辛子も色づいてきました。

レタスLittle Gemオリンピア美味タス

残暑厳しい頃には苦味の強かったレタスも、少し気温が下がってくると苦味がさわやかに、美味しくなってきました。
逆に今度は一気にとうだちを始めようとするため、とうだちする前にどんどん出荷せざるを得ません。オリンピアなどはほんとは結球レタスなんですが、緩めの結球のままで直売所に運びます。
春蒔きのレタスの種の残りをたわむれに夏の始めに蒔いてみたのですが、夏のレタス作りの難しさを実感。
それでも、夏場は直売所にもこのようなレタスはほとんど無いため、半結球のものでも売れ行きが良いようです。

パプリカやししとうなどは春にたくさん苗を作ったのですが、農地開墾作業などに追われて、十分なケアができないまま、雑草に埋もれて出荷できるような収穫ができないまま過ぎてしまいました。でも、かなり遅くに定植した一群から最近僅かばかりの収穫ができています。

Doux D’Espagne:赤いパプリカで、完熟すると生でもとても甘く、美味しい品種です。

Golden Marconi:黄色いクサビ型のパプリカで、甘味のあるきれいな品種です。

ひもとうがらし:辛くないししとうの一種で、奈良の在来種です。スリムな形と旨みが特徴ですが、残暑のせいか、虫が多いせいか、わずかに辛みが出てしまいました。炒め物にしたり、焼きびたしにしたりと楽しめます。

辛い唐辛子もいろいろできてきました。
でも、こちらは実を言うと、まだ味見してないんです。
普通のお野菜のように生でばりばり味見ということがしにくい、というのもあります。
やっぱり料理に加えて味を見てみようと思っているのですが、なかなかその時間が取れません。
それでも一応品種をご紹介しておきますと、

Fish:フィラデルフィアやボルチモアのあたりで、魚料理・甲殻料理にずっと使われてきた辛い唐辛子です。

Korean Dark Green:韓国でキムチなどに使われる辛い唐辛子です。濃い緑色の未熟果と赤い完熟果があります。

Leutschauer Paprika:ハンガリーのパプリカ唐辛子の一つで、辛さはマイルド。乾燥させると風味が抜群、だそうな。

Thai Red Chilli:タイ料理に使われる辛い唐辛子。ころんとした形がかわいい。

そして、もう一つ遅ればせながら登場したのが、夏の葉物ツルムラサキ
実はずっと前から畑にあったんですが、繁りが悪い、味見してみたらくせが強い、ということでお客様に出すのは控えていました。
でも先日再び味見してみたら、くせが無くなり、とても美味しくなっていたので、直売にも出すことにしたんです。
繁りは相変わらずなので、たいした量は出せませんが・・・。

秋野菜はまだまだですが、変なところで夏野菜を引きずっている畑です。

消えゆくニンジン

木曜日, 9月 23rd, 2010

ニンジンは夏に蒔きます。
夏に蒔いて、少しずつゆっくりと大きくなって、年末、冬、そして早春に香り高いニンジンが育ちます(うまくゆけば)。

ニンジンは発芽に水を必要とします。
発芽するまでは水が欠かせない、いったん発芽モードに突入したら乾かしちゃいけない野菜です。

ところで、今年の夏はご存じのように、暑い夏でした。
雨の少ない夏でした。
畑のある場所は、何週間も雨が降らない日が続きました。
雨が降るときにニンジンを蒔こう・・・なんて自然本願な考えは踏みにじられるくらい、暑くて乾いた夏でした。

しょうがないので、炎天酷暑、からからの畑にニンジンの種を蒔きました。
そして、毎日軽トラにタンクを背負って、ジョウロで水遣りをしました。
以前にも書きましたが、これがまた大変な作業なんです。
朝夕2回ともなると、労力も時間も食う作業です。

でも努力がむくわれて、ニンジンの発芽が見られた時には嬉しかったですねぇ。
その頃からたまに雨も降るようになりました。
これで一安心。

でも、農業に一安心なんて言葉は無い!(のかもしれません)

なぜか、日々観察するニンジンの双葉が少しずつ減っているようなんです。
ようく見ると双葉が喰われているものがある!
他の研修生仲間の農園でもニンジンがどんどん消えてゆくという声がありました。

最初はマメハンミョウの仕業かと思いましたが、いくら数があってもあのニンジンのちっちゃな双葉がマメハンミョウの旺盛な食欲を満たすのに効率的だとは思えません。
そのうちに、たまたま、ニンジンの葉が喰われているその現場を目撃!
犯人はマメハンミョウではなく、オンブバッタでした!

今やオンブバッタの襲撃を防ぐすべもなく、ニンジンの作はほとんど喰われつくされてしまいました。
あの連日の大変な水遣りはなんだったんだ!?と悔しい思いでいっぱいです。

悔やんでばかりいてもしかたないので、もう一度種を蒔くことにしました。
もう9月になってしまい、蒔き時ではないのですが、小さなニンジンくらいできるかもしれません。物は試しです。後学のための実験です。
翌日からは雨という稲刈りと同じ日にニンジンを蒔きました(幸い品種を問わなければ種は相当量余っていたので)。
また翌日からの雨とともに気温もがくっと下がるそうです。暑さ寒さも彼岸まで。気温が下がれば、虫の活動も少しは下火になるでしょう。

がんばれ、ニンジン!

稲刈り

木曜日, 9月 23rd, 2010

昨日は稲刈り。
(出穂後43日、翌日から雨)
自家用のお米を作るために借りている6畝ほどの小さな田圃の稲刈りです。
稲を刈って束ねてくれるバインダーという機械を使っての稲刈りです。
たそりあ夫は去年の研修で稲刈りはそれなりに経験済み。
うまくいけば半日で終るだろうと予想をたてました。

(稲刈り未経験のたそりあ妻は、んじゃ、この稲刈りは一日じゃ終らないべ・・・と密かに思いました)

機械でささっと刈りはじめるのかと思いきや、まずは周辺の倒伏している稲を手刈りしなきゃいけないとかり出されます。
(後で知ったのですが、田圃の四隅もバインダーの方向転換のスペースを確保しておくために、あらかじめ手刈りしておくんだそうです)
手刈りはのこぎり鎌でぎしぎしと根元を刈ります。これを14束集めたところで、麻紐を使って結束します。なんで14束なのか不明ですが、なぜか14束なんだそうです。

それから、やっとバインダーのご登場。
意気揚々とバインダーを操って一列目に歩を進めるたそりあ夫。
刈られて、バインダーの横から束になって吐き出されてくる稲の束。
素晴らしい!

でも、でも・・・なんか変。
よく見ると吐き出されてくる稲の束がどれも結束されてないんです。
ねえねえ、この稲の束、結束されてないんだけど、いいの?
たそりあ妻の怒鳴り声を無視して進むたそりあ夫(うるさい農機具の前には大声も無音に等しい)。
一列目を刈り終わって一息ついたところで、ようやくたそりあ妻の訴えがたそりあ夫の耳に届きます。
どうして、もっと早く言ってくれなかったんだよっ!

結束されなかった原因は、麻紐の屑が機械の内部にたまりにたまって固まっていたからのようです。
こびりついた麻紐屑をペンチだのニッパーだのハサミだのドライバーだのを駆使してちまちまと取り除きます。これがけっこう大変。麻紐の丈夫さがあだになってか、やってもやってもなかなかうまく取れません。
30分、1時間・・・二列目以降の稲が刈られないまま時間だけが過ぎてゆきます。
とうとう音を上げて師匠を呼びつけることに(師匠からお借りしているバインダーなんです)。
そして駆けつけて下さった師匠の指導のもとあれやこれややって、ようやくお昼前にはなんとかバインダーが正常に動くようになりました。
(たそりあ妻は田圃の四隅を刈るのに忙しく、あれやこれやが具体的にどういう内容だったのか知りそこねてしまいました)

さて、これで、めでたし、めでたし・・・で終わるわけもなく。

午後はたそりあ妻は、他の畑での作業があり、バインダー作業はたそりあ夫にまかせっきり。
夕方になって作業も終り、田圃に戻ってきてみると、稲刈りはまだ終わっていない!
まだ1/3くらいは残っている。
しかもバインダーで刈っている最中ではなく、たそりあ夫は再び(三度?四度?)バインダーを修理中。そばには結束されていない稲の束がいくつか・・・。

お~い、もう暗くなっちゃうよ。
刈った稲束をはざがけしなくていいんかい?
稲刈り自体は残った分は後日やればいいのですが、刈った稲ははざがけしないで、地面に転がしておくことはできません。
なにせ翌日からは雨の天気予報。
いくら小さな田圃と言え、いくら2/3しか刈ってないとはいえ、それなりの数の稲束です。
竹で物干し台のようなものを組んで、その上にどんどん稲束をかけてゆくのですが、その作業が暗くなる前に終りきるとは思いません。
それでもやらざるを得ないと、暗くなる直前にようやくバインダーが正常に動くようになってからはざがけ作業に。
午前中から見学+助っ人に来てくれていた田圃仲間の方と3人でヘッドランプをつけながらまずは竹を組む作業に取り掛かりました。不幸中の幸いは満月(正確には満月の前日)で月明かりがけっこうあったこと。ここにお団子とお酒があれば風流なのになあ。

と、そこに強力な助っ人が!

師匠のところの研修生が集団でどどっと手伝いに来てくれたんです!
研修終って疲れてただろうに、皆さんどうもありがとうございました!

さすがに人数の力はすごいです。
あれよあれよという間に竹で物干しざおじゃなかったはざがけの台が組まれてゆきます。
田圃のあちこちに散らばっている稲束もあれよあれよという間にはざがけの台の元に集まってきて、あれよあれよという間にはざがけされてゆきます。
はざがけは稲束を半分に割ってひっかけるのかと思っていたらそうじゃないんですね。
1:2に分けて、手前に2の部分をもってきてひっかけたら、隣は向こう側に2の部分がいくようにひっかけると交互にかけていくんだそうです。こうすると1:1に割ってひっかけるより、たくさんの量の稲をかけることができるんです。

こうして、無事に(?)雨が降る前にはざがけを終えることができました。
師匠、師匠のところの研修生の皆さん、田圃仲間の方にお世話になりっぱなし、ご迷惑をかけっぱなしの稲刈りになってしまいました。どうもありがとうございました。
特に疲れて早く帰宅したいところを、遅くまで手伝って下さった皆さん、ほんとにどうもありがとう!

絶滅危惧種?

金曜日, 9月 17th, 2010

就農一年目のこの夏、農地の開墾(?)作業のかたわらで育てた夏野菜は、当然のことながら十分なケアもできず、技術不足もあって、豊作とは言い難かったのですが、そういう人為的な要因以外にも夏野菜を襲ったものがありました。

虫です。

113年ぶりの暑い夏・・・とかなんとか新聞に書かれていたような気がしますが、この暑さのせいか、今年は虫害がひどかったんです。

豆類にはカメムシがたかりました。
よく見かける緑色の五角形だか六角形だかのカメムシ以外にも、茶色い細長いなんとなく嫌らしい感じのカメムシも大発生。
枝豆もずいぶん汁を吸われました。
(カメムシに吸われた枝豆は実が痩せるだけでなく、不味くなってしまうんです。とても食べられたものじゃありません)
ササゲも緑豆も吸われました。
緑豆も最初の収穫時には、小粒だけれど、丸々つやつやと、翡翠もかくやと思うばかりのきれいな豆が採れたんです。
ところがカメムシ発生直後は緑豆のそばを歩くと、お食事中のカメムシが一斉に飛び立ち、その数はちょっとやそっとのものじゃありません。収穫した豆もひしゃげて、萎んで、色が汚く変わったものが殆ど。
十六ササゲもカメムシ被害のひどかったところは、莢がいじけてしまいます。

カメムシ以外にも大繁殖した虫がいました。

黒い胴体に白の細嶋、赤い目玉のその虫は、ちょっとお洒落で、ホタルを連想させます。

ところがこいつがとんでもないやつで、ナス科の葉っぱなどを片端から食い尽くしていくんです。
一番ひどい畑は、トマト、ナス、雑草のイヌハオズキに至るまで、丸裸にされてしまいました。

師匠に聞いたら、何年か前にもこの虫が大発生したそうで、その時虫に詳しい人に訊いたら、なんと絶滅危惧種の虫だと分かったんだそうです。

ぜつめつきぐしゅぅ????

あれだけ大群で旺盛に食い荒らしていく虫のどこが絶滅危惧種???

その後、たそりあ夫がたまたまネットでこの虫の名前に遭遇しました。

マメハンミョウ

というんだそうです。
いわゆるハンミョウと呼ばれている虫ではなく、ツチハンミョウという虫の方の仲間なんだそうです。
気をつけなきゃいけないのは、このマメハンミョウは毒を持っていること。
体液にカンタリジンという猛毒を含み、この毒に触れると水ぶくれができるのだそうです。内服すると僅かな量で死に至るというこわ~い毒です。
くれぐれも素手で潰したりしないよう!(たそりあ夫は知らずに今まで何匹も素手で潰しちゃってましたが、運が良かったのか何も起きませんでした)

マメハンミョウは幼虫の時は、イナゴやバッタの卵を食べるのだそうです。
農薬の使用でイナゴなどが激減したことが、マメハンミョウの激減、すなわち絶滅危惧種指定につながったとか。
けれども、イナゴやバッタも最近復活の兆しがあり、それにともないマメハンミョウが繁殖する機会も増えてきているのだそうです。
成虫になったマメハンミョウは、肉食じゃなくなり、草食性です(肉食のままでいてくれれば益虫扱いしてもらえたのに)。
名前のマメが示すように、マメ科の葉っぱを食い荒らすことが多いのだそうですが、ナス科やニンジンの葉もターゲットにするのだそうです。

!!!

そういえば、発芽したばかりのニンジンの芽が喰われているのか、どんどんなくなっている畑があるんです!
あれもマメハンミョウの仕業???

この畑ではマメ科の大豆やササゲをいっぱい植えているのですが、なぜかマメハンミョウはナス科ばかりを狙っています。
ひょっとすると、マメ科の作物にはすでにカメムシが先客としているので、棲み分けをしているのでしょうか?

トマトやナスは諦めましたが、ニンジンの発芽がマメハンミョウに食われているとしたら、頭の痛い問題です。
農薬以外でいい対策はないのかしら?
ナス科の作物では、でっかいクモが張った巣にマメハンミョウの死骸らしきものが数個ひっかかっていましたが、この程度ではあの大群に太刀打ちできません。
手でつかまえようとすると、飛び立たずに、ぽろりと下へ落ちるんですね。地面に落っこってやりすごすというタイプです。

天敵はいないのか?
バンカープランツはないのか?
嫌がる臭いとかはないのか?

なにか良い方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい!

旬の野菜情報 2010.9.13

月曜日, 9月 13th, 2010

野菜情報更新、忙しくて間が空いてしまいました。

台風のおかげで、やっと解放された毎日の水遣り。
一日何時間もかけての水遣りは大変というだけでなく、他の作業をする時間が取れない!という泣き泣き状態。
でも、軽トラに水タンク背負って畑へ向かう夕方、同じような水タンクを背負った軽トラとよくすれ違いました。
農家はみんな苦労してるんです。

さて、水遣りからやっと解放された今は、秋冬ものの種まき、定植をフル回転でこなさなきゃなりません。
なにせ、雨が降ったら蒔こう・・・、雨が降ったら定植しよう・・・と思っていたのものが順番待ち。

夏野菜がフェードアウトしかけて、秋冬野菜はまだ準備段階。
直売所に出す野菜も少し端境期気味です。

そんな中での新顔はゴーヤ十角ヘチマ

十角ヘチマについては、「十角へちまは沖縄野菜じゃありませんでした、ごめんなさい!」にいろいろ書きましたので、そちらをご覧ください。

そして、前回の野菜情報更新に書き忘れたものが一つ。

バターナッツ

以前、個人的にいただいたバターナッツの種を蒔いてみました。動物にかじられちゃって出荷できなかったものは自家用にしましたが、甘くて味が濃くて美味しかった。

最後に秋冬野菜の走りが一つ。

カラシナです。

秋野菜の苗づくりに、バンカープランツにならないかと蒔いてみたカラシナ。
残念ながら目的は果たせませんでしたが、虫食いも少なく立派に育ちつつあります。試しに畑で葉っぱをかじってみたら、さわやかな辛みで、これが美味しいんです(でも塩もみにしたら、ワサビなみに辛い)。
せっかくだからと少量ですが、直売に出すことにしました。

明日くらいから気温が少し下がり始めるようです。
雲も秋、空も秋、畑も秋。
遅れないように、いろんなことを進めていかなきゃなりません。

十角へちまは沖縄野菜じゃありませんでした、ごめんなさい!

木曜日, 9月 9th, 2010

ホームページのたそりあの野菜を更新しようとして、十角へちまについて調べていたら、ががーん、実は沖縄野菜じゃなかったんですね。

小学校でたわしを作るために栽培したあのヘチマは、確かにナーベラーと呼ばれる沖縄野菜なんですが、十角ヘチマは実はヘチマですらなかったんです。

植物学的分類に従うと、十角ヘチマはヘチマの近縁種なんだそうです。
近いけど、おんなじじゃない。
そして、小学校で栽培したヘチマは沖縄でよく食べられていますが、この十角へちまは沖縄でもちょっと珍しいものらしい。
この十角ヘチマが活躍しているのは、もっぱら東南アジア。
東南アジア各国では、非常にポピュラーな食材らしい。

忙しくて、下調べする暇がなかったとは言え、ヘチマという名前にうっかりつられて、「沖縄野菜」という説明書きで先週直売に出してしまいました。

ごめんなさい!
沖縄野菜と思い込んでお買い上げいただいたお客様、申し訳ありませんでした!

でも、「沖縄野菜」という触れ込みは嘘ですが、味や調理の仕方に関しては、私が経験したままを書いてありますので、そちらは問題ありません。

知ったつもりで、調べを怠ると、いけませんね。
以後、肝に銘じます。

お客さんに教わったレシピ

日曜日, 9月 5th, 2010

昨日は、鵠沼の直売所の日。
最近はだいたい毎週こちらに出かけて店番に加わっております。

最近宣伝のビラ配りを二回ほど行った下さったおかげか(ビラを作ってくださった方、配ってくださった方、ありがとうございます)、地道にお客さんが増えてきているような気がします。
ビラ効果だけでなく、散歩の途中でこの直売所を見かけて寄ってみたとか、いつも通る道で前から気になっていたとか、そういうお客さんもいらっしゃって、通りすがりに目をとめていただけるような魅力が少しずつこの直売所にも増えてきているのかな?なんて思うとうれしくなります。

今回、たそりあで出した野菜には、珍しい野菜が一つ。

へちまの実

最近はご存じの方も増えてきたようですが、それでもまだまだヘチマの実が食べられることを知らない方は多いみたいです。
ヘチマの実、というと、小学校でクラス栽培して、たわしにしたあのヘチマ・・・という連想が一番多いかもしれません。
ところがこのヘチマの実は食べられて、しかも沖縄では非常に一般的な野菜なんです。沖縄ではナーベラーと呼ばれています。
直売所でもやはり「えっ、ヘチマの実って食べられるんですか?」と知らないお客さんの方が多かったです。
お客さんだけでなく、農家仲間でも知らない人が多いんです。

今回たそりあが出したのは、十角へちまと呼ばれる品種。
小学校でクラス栽培して、たわしにした、すべすべしたヘチマと違い、縦に稜線が走っているごつごつしたヘチマです。
稜線を含む皮の部分は硬くなっているので、皮をピーラーで剥いてから調理します。
皮の下は種も含めてやわらかく、種取りする必要もなく、そのまま使えます。生でも甘味があって美味しく、炒めるととろりとして、ズッキーニのような風味が出て、さらに美味しくなります。

さて、お客さんの中にもヘチマの実をご存じの方がいらっしゃいました。

閉店間際に駆け込みでお買い物にいらっしゃった方は、ヘチマがあると聞いて、2本下さい!と即買い。
またぶらりと直売所に寄って、ヘチマだけをお買い上げいただいたおじさまには、これ、味噌汁に入れると美味いんだよね、と教わりました。(たそりあ妻は昔よその直売所で買った十角へちまを炒めて食べたわずかな経験しかありませんでした)

ほほう、味噌汁に入れると美味いのか・・・メモメモ。

お客さんから野菜の美味しい食べ方を教わると、なんだか得した気になります。
昨日は、実は他のお客さんからもお野菜のレシピを教わりました。

一つはゴーヤのわたの天麩羅。
ゴーヤのわたを分離し、種を取り除きます(ただし種の殻の部分は残しておきます)。これに衣をつけて揚げたゴーヤのてんぷら(塩をつけて食べる)は、衣がサクッ、わたがとろり、種の殻がカリッと、食感の三重奏になり、とっても美味しんだそうです。

もう一つは焼きナスのバリエーション
焼きナスにとろろ芋をおろしたものをかけ、麺つゆかポン酢などをかけて食べるというもの。
これは実はお金が無い時バージョンで、お金がある時バージョンでは、とろろ芋の代わりに湯葉を使うのだそうです。

どれも美味しそう。
機会があれば、是非作って、食べてみたい!

たそりあ妻もできるだけお客さんに、お野菜の美味しい食べ方を提案していきたいと思っていますが、お客さんから美味しい食べ方を教わるのも大歓迎!
直売所に来られた方、是非マイレシピをいろいろと教えてください。