そろそろ初霜の季節になってきました。
まだ数日は大丈夫そうですが、初霜が降りる前に寒さに弱いハーブ類の鉢上げをやらねばなりません。
レモングラス、レモンバーベナ、ローズゼラニウム・・・。
そう、たそりあではローズゼラニウムなるものを育てていたのですが、どういうふうに使えばいいのかよくわからず、今までほとんど出荷していませんでした。
でも、ここにきて、初霜のささやきが遠くから聞こえるような日々、焦りが出てきました。
ローズゼラニウムは鉢上げする時に、繁った枝葉を切り詰めなきゃいけないんですが、その剪定した葉っぱは売れないだろうか?
売りたい!
そのためには、お客さんにアピールするようなレシピを考え出さなきゃ!
ローズゼラニウムは、ハーブの本などを見ると、飲み物の香りづけに使ったり、ケーキに張り付けて焼いたり、クッキー生地に混ぜ込んで焼いたりするんだそうです。
たそりあ妻も、決して夏の間、手をこまねいていたわけではありません。
飲み物に入れてみました(なんに入れたかは忘れちゃった)。でも、美味しくなかった。
クッキー生地に細かく刻んだローズゼラニウムを混ぜて、ローズゼラニウム・クッキーを焼いてみたこともあります。
でも、量の問題か、焼き方の問題か、うまくいきませんでした。焼き立てはなんとなくバラの香りがするようなのですが、時間が経つとよく分からなくなっちゃいました。
ケーキなんかは、とてもじゃないけど焼いてる暇はありません。
そんなこんなで、ローズゼラニウムのレシピは何一つ開発されないまま、11月を迎えてしまったのです。
これではいけないと、ふたたび、ローズゼラニウムを一枝持ち帰り、インスピレーションのおもむくまま料理してみることに・・・。
まずは、飲み物。
紅茶が合うんじゃなかろうかと、紅茶のティーバッグとローズゼラニウムの葉を一枚、カップに入れて、熱湯を注ぎます。
できあがったバラの香りの紅茶はなかなかいいです。
でも、実はこの後の二番煎じの方がさらに美味しかったんです。二番煎じの紅茶を煎れる時にローズゼラニウムの葉も一緒にすると、バラの香りがきわだって、非常にバランスの良い飲み物ができました。一煎めは紅茶の香りが強すぎたんでしょうね。
二番煎じの紅茶に、ローズゼラニウムでバラの香りをつけるのがオススメです。
そして、ケーキ。
もちろん、オーブンで焼くちゃんとしたケーキは、ふだん作りなれてないし、暇もありません。
そこで思いついたのがホットケーキ。フライパンで簡単に焼けるホットケーキに、ローズゼラニウムの葉を張り付けて焼いてみたらどうだろうか?
フライパンに油を敷いて熱し、そこにローズゼラニウムの葉を並べます。その上からホットケーキの種を流して焼きます(両面)。
盛り付ける時は、もちろん葉っぱのついた側を上にします。
ローズゼラニウムの葉っぱがちりばめられた、見た目にすごくお洒落なホットケーキの出来上がり。
しかも、メープルシロップやバターの香りに混じって、ほわっとバラの香りが漂ってきます。
こうやって試していると、気が付くことがあります。
ローズゼラニウムの生の葉っぱは、確かにバラの良い香りがするんですが、同時にゼラニウム特融のちょっとくせのある草のにおいも混じっているんです。
ところが、葉を加熱すると(特に焼くと)、このくせのある草のにおいは消えて、バラの香りだけが残る感じになります。
ただ、加熱をしすぎると、バラの香りも揮発しちゃいそうです。
加熱はするけど、バラの香りは逃さず、うまく閉じ込めておく、そういう調理が向いているのかも。
では、てんぷらはどうだろうか?
衣をつけて、さっと揚げれば、バラの香りだけが衣に閉じ込められて残るんじゃないだろうか?
そこでやってみました。
バラの香りなんだから、普通のてんぷらじゃなくって、甘い味付けの揚げ菓子の方向が合いそうです。
小麦粉と水だけで簡単な衣を作ります。さらさらじゃなくって、ちょっと小麦粉多めのねっとり衣。これに砂糖を適量混ぜておきます。
適当にちぎったローズゼラニウムの葉っぱや葉柄をくぐらせて、まわりにしっかりと衣をつけます。
少し高めの揚げ油で、さっと揚げます。
のろのろと揚げてると、バラの香りも飛んじゃうんじゃないかと思ったので、短時間でさっと揚げてみました。
いや、このてんぷら、美味しかったです。
さくっとかじると、バラの香りが漂い出て、ほんのりと甘くて、品が良く、しかも他では決してお目にかかったことがないような揚げ菓子でした。
もちろん、衣はもっとちゃんとしたフリッターの衣(泡立てた卵白を混ぜたりするようなやつ)にしてもいいと思います。
ローズゼラニウムのてんぷら、揚げ菓子、ベニエ、フリッター・・・なんと呼べばいいのか、よく分かりませんが、ともかくこれは超オススメです。
ECOMOや昨日の直売でも、レシピつきで売ってきましたが、今年はもうすぐに販売終了となってしまいます。
もし、お見かけしたら、是非バラの香りを堪能して下さい。