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消えゆくニンジン

木曜日, 9月 23rd, 2010

ニンジンは夏に蒔きます。
夏に蒔いて、少しずつゆっくりと大きくなって、年末、冬、そして早春に香り高いニンジンが育ちます(うまくゆけば)。

ニンジンは発芽に水を必要とします。
発芽するまでは水が欠かせない、いったん発芽モードに突入したら乾かしちゃいけない野菜です。

ところで、今年の夏はご存じのように、暑い夏でした。
雨の少ない夏でした。
畑のある場所は、何週間も雨が降らない日が続きました。
雨が降るときにニンジンを蒔こう・・・なんて自然本願な考えは踏みにじられるくらい、暑くて乾いた夏でした。

しょうがないので、炎天酷暑、からからの畑にニンジンの種を蒔きました。
そして、毎日軽トラにタンクを背負って、ジョウロで水遣りをしました。
以前にも書きましたが、これがまた大変な作業なんです。
朝夕2回ともなると、労力も時間も食う作業です。

でも努力がむくわれて、ニンジンの発芽が見られた時には嬉しかったですねぇ。
その頃からたまに雨も降るようになりました。
これで一安心。

でも、農業に一安心なんて言葉は無い!(のかもしれません)

なぜか、日々観察するニンジンの双葉が少しずつ減っているようなんです。
ようく見ると双葉が喰われているものがある!
他の研修生仲間の農園でもニンジンがどんどん消えてゆくという声がありました。

最初はマメハンミョウの仕業かと思いましたが、いくら数があってもあのニンジンのちっちゃな双葉がマメハンミョウの旺盛な食欲を満たすのに効率的だとは思えません。
そのうちに、たまたま、ニンジンの葉が喰われているその現場を目撃!
犯人はマメハンミョウではなく、オンブバッタでした!

今やオンブバッタの襲撃を防ぐすべもなく、ニンジンの作はほとんど喰われつくされてしまいました。
あの連日の大変な水遣りはなんだったんだ!?と悔しい思いでいっぱいです。

悔やんでばかりいてもしかたないので、もう一度種を蒔くことにしました。
もう9月になってしまい、蒔き時ではないのですが、小さなニンジンくらいできるかもしれません。物は試しです。後学のための実験です。
翌日からは雨という稲刈りと同じ日にニンジンを蒔きました(幸い品種を問わなければ種は相当量余っていたので)。
また翌日からの雨とともに気温もがくっと下がるそうです。暑さ寒さも彼岸まで。気温が下がれば、虫の活動も少しは下火になるでしょう。

がんばれ、ニンジン!

稲刈り

木曜日, 9月 23rd, 2010

昨日は稲刈り。
(出穂後43日、翌日から雨)
自家用のお米を作るために借りている6畝ほどの小さな田圃の稲刈りです。
稲を刈って束ねてくれるバインダーという機械を使っての稲刈りです。
たそりあ夫は去年の研修で稲刈りはそれなりに経験済み。
うまくいけば半日で終るだろうと予想をたてました。

(稲刈り未経験のたそりあ妻は、んじゃ、この稲刈りは一日じゃ終らないべ・・・と密かに思いました)

機械でささっと刈りはじめるのかと思いきや、まずは周辺の倒伏している稲を手刈りしなきゃいけないとかり出されます。
(後で知ったのですが、田圃の四隅もバインダーの方向転換のスペースを確保しておくために、あらかじめ手刈りしておくんだそうです)
手刈りはのこぎり鎌でぎしぎしと根元を刈ります。これを14束集めたところで、麻紐を使って結束します。なんで14束なのか不明ですが、なぜか14束なんだそうです。

それから、やっとバインダーのご登場。
意気揚々とバインダーを操って一列目に歩を進めるたそりあ夫。
刈られて、バインダーの横から束になって吐き出されてくる稲の束。
素晴らしい!

でも、でも・・・なんか変。
よく見ると吐き出されてくる稲の束がどれも結束されてないんです。
ねえねえ、この稲の束、結束されてないんだけど、いいの?
たそりあ妻の怒鳴り声を無視して進むたそりあ夫(うるさい農機具の前には大声も無音に等しい)。
一列目を刈り終わって一息ついたところで、ようやくたそりあ妻の訴えがたそりあ夫の耳に届きます。
どうして、もっと早く言ってくれなかったんだよっ!

結束されなかった原因は、麻紐の屑が機械の内部にたまりにたまって固まっていたからのようです。
こびりついた麻紐屑をペンチだのニッパーだのハサミだのドライバーだのを駆使してちまちまと取り除きます。これがけっこう大変。麻紐の丈夫さがあだになってか、やってもやってもなかなかうまく取れません。
30分、1時間・・・二列目以降の稲が刈られないまま時間だけが過ぎてゆきます。
とうとう音を上げて師匠を呼びつけることに(師匠からお借りしているバインダーなんです)。
そして駆けつけて下さった師匠の指導のもとあれやこれややって、ようやくお昼前にはなんとかバインダーが正常に動くようになりました。
(たそりあ妻は田圃の四隅を刈るのに忙しく、あれやこれやが具体的にどういう内容だったのか知りそこねてしまいました)

さて、これで、めでたし、めでたし・・・で終わるわけもなく。

午後はたそりあ妻は、他の畑での作業があり、バインダー作業はたそりあ夫にまかせっきり。
夕方になって作業も終り、田圃に戻ってきてみると、稲刈りはまだ終わっていない!
まだ1/3くらいは残っている。
しかもバインダーで刈っている最中ではなく、たそりあ夫は再び(三度?四度?)バインダーを修理中。そばには結束されていない稲の束がいくつか・・・。

お~い、もう暗くなっちゃうよ。
刈った稲束をはざがけしなくていいんかい?
稲刈り自体は残った分は後日やればいいのですが、刈った稲ははざがけしないで、地面に転がしておくことはできません。
なにせ翌日からは雨の天気予報。
いくら小さな田圃と言え、いくら2/3しか刈ってないとはいえ、それなりの数の稲束です。
竹で物干し台のようなものを組んで、その上にどんどん稲束をかけてゆくのですが、その作業が暗くなる前に終りきるとは思いません。
それでもやらざるを得ないと、暗くなる直前にようやくバインダーが正常に動くようになってからはざがけ作業に。
午前中から見学+助っ人に来てくれていた田圃仲間の方と3人でヘッドランプをつけながらまずは竹を組む作業に取り掛かりました。不幸中の幸いは満月(正確には満月の前日)で月明かりがけっこうあったこと。ここにお団子とお酒があれば風流なのになあ。

と、そこに強力な助っ人が!

師匠のところの研修生が集団でどどっと手伝いに来てくれたんです!
研修終って疲れてただろうに、皆さんどうもありがとうございました!

さすがに人数の力はすごいです。
あれよあれよという間に竹で物干しざおじゃなかったはざがけの台が組まれてゆきます。
田圃のあちこちに散らばっている稲束もあれよあれよという間にはざがけの台の元に集まってきて、あれよあれよという間にはざがけされてゆきます。
はざがけは稲束を半分に割ってひっかけるのかと思っていたらそうじゃないんですね。
1:2に分けて、手前に2の部分をもってきてひっかけたら、隣は向こう側に2の部分がいくようにひっかけると交互にかけていくんだそうです。こうすると1:1に割ってひっかけるより、たくさんの量の稲をかけることができるんです。

こうして、無事に(?)雨が降る前にはざがけを終えることができました。
師匠、師匠のところの研修生の皆さん、田圃仲間の方にお世話になりっぱなし、ご迷惑をかけっぱなしの稲刈りになってしまいました。どうもありがとうございました。
特に疲れて早く帰宅したいところを、遅くまで手伝って下さった皆さん、ほんとにどうもありがとう!

絶滅危惧種?

金曜日, 9月 17th, 2010

就農一年目のこの夏、農地の開墾(?)作業のかたわらで育てた夏野菜は、当然のことながら十分なケアもできず、技術不足もあって、豊作とは言い難かったのですが、そういう人為的な要因以外にも夏野菜を襲ったものがありました。

虫です。

113年ぶりの暑い夏・・・とかなんとか新聞に書かれていたような気がしますが、この暑さのせいか、今年は虫害がひどかったんです。

豆類にはカメムシがたかりました。
よく見かける緑色の五角形だか六角形だかのカメムシ以外にも、茶色い細長いなんとなく嫌らしい感じのカメムシも大発生。
枝豆もずいぶん汁を吸われました。
(カメムシに吸われた枝豆は実が痩せるだけでなく、不味くなってしまうんです。とても食べられたものじゃありません)
ササゲも緑豆も吸われました。
緑豆も最初の収穫時には、小粒だけれど、丸々つやつやと、翡翠もかくやと思うばかりのきれいな豆が採れたんです。
ところがカメムシ発生直後は緑豆のそばを歩くと、お食事中のカメムシが一斉に飛び立ち、その数はちょっとやそっとのものじゃありません。収穫した豆もひしゃげて、萎んで、色が汚く変わったものが殆ど。
十六ササゲもカメムシ被害のひどかったところは、莢がいじけてしまいます。

カメムシ以外にも大繁殖した虫がいました。

黒い胴体に白の細嶋、赤い目玉のその虫は、ちょっとお洒落で、ホタルを連想させます。

ところがこいつがとんでもないやつで、ナス科の葉っぱなどを片端から食い尽くしていくんです。
一番ひどい畑は、トマト、ナス、雑草のイヌハオズキに至るまで、丸裸にされてしまいました。

師匠に聞いたら、何年か前にもこの虫が大発生したそうで、その時虫に詳しい人に訊いたら、なんと絶滅危惧種の虫だと分かったんだそうです。

ぜつめつきぐしゅぅ????

あれだけ大群で旺盛に食い荒らしていく虫のどこが絶滅危惧種???

その後、たそりあ夫がたまたまネットでこの虫の名前に遭遇しました。

マメハンミョウ

というんだそうです。
いわゆるハンミョウと呼ばれている虫ではなく、ツチハンミョウという虫の方の仲間なんだそうです。
気をつけなきゃいけないのは、このマメハンミョウは毒を持っていること。
体液にカンタリジンという猛毒を含み、この毒に触れると水ぶくれができるのだそうです。内服すると僅かな量で死に至るというこわ~い毒です。
くれぐれも素手で潰したりしないよう!(たそりあ夫は知らずに今まで何匹も素手で潰しちゃってましたが、運が良かったのか何も起きませんでした)

マメハンミョウは幼虫の時は、イナゴやバッタの卵を食べるのだそうです。
農薬の使用でイナゴなどが激減したことが、マメハンミョウの激減、すなわち絶滅危惧種指定につながったとか。
けれども、イナゴやバッタも最近復活の兆しがあり、それにともないマメハンミョウが繁殖する機会も増えてきているのだそうです。
成虫になったマメハンミョウは、肉食じゃなくなり、草食性です(肉食のままでいてくれれば益虫扱いしてもらえたのに)。
名前のマメが示すように、マメ科の葉っぱを食い荒らすことが多いのだそうですが、ナス科やニンジンの葉もターゲットにするのだそうです。

!!!

そういえば、発芽したばかりのニンジンの芽が喰われているのか、どんどんなくなっている畑があるんです!
あれもマメハンミョウの仕業???

この畑ではマメ科の大豆やササゲをいっぱい植えているのですが、なぜかマメハンミョウはナス科ばかりを狙っています。
ひょっとすると、マメ科の作物にはすでにカメムシが先客としているので、棲み分けをしているのでしょうか?

トマトやナスは諦めましたが、ニンジンの発芽がマメハンミョウに食われているとしたら、頭の痛い問題です。
農薬以外でいい対策はないのかしら?
ナス科の作物では、でっかいクモが張った巣にマメハンミョウの死骸らしきものが数個ひっかかっていましたが、この程度ではあの大群に太刀打ちできません。
手でつかまえようとすると、飛び立たずに、ぽろりと下へ落ちるんですね。地面に落っこってやりすごすというタイプです。

天敵はいないのか?
バンカープランツはないのか?
嫌がる臭いとかはないのか?

なにか良い方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非教えて下さい!

旬の野菜情報 2010.9.13

月曜日, 9月 13th, 2010

野菜情報更新、忙しくて間が空いてしまいました。

台風のおかげで、やっと解放された毎日の水遣り。
一日何時間もかけての水遣りは大変というだけでなく、他の作業をする時間が取れない!という泣き泣き状態。
でも、軽トラに水タンク背負って畑へ向かう夕方、同じような水タンクを背負った軽トラとよくすれ違いました。
農家はみんな苦労してるんです。

さて、水遣りからやっと解放された今は、秋冬ものの種まき、定植をフル回転でこなさなきゃなりません。
なにせ、雨が降ったら蒔こう・・・、雨が降ったら定植しよう・・・と思っていたのものが順番待ち。

夏野菜がフェードアウトしかけて、秋冬野菜はまだ準備段階。
直売所に出す野菜も少し端境期気味です。

そんな中での新顔はゴーヤ十角ヘチマ

十角ヘチマについては、「十角へちまは沖縄野菜じゃありませんでした、ごめんなさい!」にいろいろ書きましたので、そちらをご覧ください。

そして、前回の野菜情報更新に書き忘れたものが一つ。

バターナッツ

以前、個人的にいただいたバターナッツの種を蒔いてみました。動物にかじられちゃって出荷できなかったものは自家用にしましたが、甘くて味が濃くて美味しかった。

最後に秋冬野菜の走りが一つ。

カラシナです。

秋野菜の苗づくりに、バンカープランツにならないかと蒔いてみたカラシナ。
残念ながら目的は果たせませんでしたが、虫食いも少なく立派に育ちつつあります。試しに畑で葉っぱをかじってみたら、さわやかな辛みで、これが美味しいんです(でも塩もみにしたら、ワサビなみに辛い)。
せっかくだからと少量ですが、直売に出すことにしました。

明日くらいから気温が少し下がり始めるようです。
雲も秋、空も秋、畑も秋。
遅れないように、いろんなことを進めていかなきゃなりません。

十角へちまは沖縄野菜じゃありませんでした、ごめんなさい!

木曜日, 9月 9th, 2010

ホームページのたそりあの野菜を更新しようとして、十角へちまについて調べていたら、ががーん、実は沖縄野菜じゃなかったんですね。

小学校でたわしを作るために栽培したあのヘチマは、確かにナーベラーと呼ばれる沖縄野菜なんですが、十角ヘチマは実はヘチマですらなかったんです。

植物学的分類に従うと、十角ヘチマはヘチマの近縁種なんだそうです。
近いけど、おんなじじゃない。
そして、小学校で栽培したヘチマは沖縄でよく食べられていますが、この十角へちまは沖縄でもちょっと珍しいものらしい。
この十角ヘチマが活躍しているのは、もっぱら東南アジア。
東南アジア各国では、非常にポピュラーな食材らしい。

忙しくて、下調べする暇がなかったとは言え、ヘチマという名前にうっかりつられて、「沖縄野菜」という説明書きで先週直売に出してしまいました。

ごめんなさい!
沖縄野菜と思い込んでお買い上げいただいたお客様、申し訳ありませんでした!

でも、「沖縄野菜」という触れ込みは嘘ですが、味や調理の仕方に関しては、私が経験したままを書いてありますので、そちらは問題ありません。

知ったつもりで、調べを怠ると、いけませんね。
以後、肝に銘じます。

お客さんに教わったレシピ

日曜日, 9月 5th, 2010

昨日は、鵠沼の直売所の日。
最近はだいたい毎週こちらに出かけて店番に加わっております。

最近宣伝のビラ配りを二回ほど行った下さったおかげか(ビラを作ってくださった方、配ってくださった方、ありがとうございます)、地道にお客さんが増えてきているような気がします。
ビラ効果だけでなく、散歩の途中でこの直売所を見かけて寄ってみたとか、いつも通る道で前から気になっていたとか、そういうお客さんもいらっしゃって、通りすがりに目をとめていただけるような魅力が少しずつこの直売所にも増えてきているのかな?なんて思うとうれしくなります。

今回、たそりあで出した野菜には、珍しい野菜が一つ。

へちまの実

最近はご存じの方も増えてきたようですが、それでもまだまだヘチマの実が食べられることを知らない方は多いみたいです。
ヘチマの実、というと、小学校でクラス栽培して、たわしにしたあのヘチマ・・・という連想が一番多いかもしれません。
ところがこのヘチマの実は食べられて、しかも沖縄では非常に一般的な野菜なんです。沖縄ではナーベラーと呼ばれています。
直売所でもやはり「えっ、ヘチマの実って食べられるんですか?」と知らないお客さんの方が多かったです。
お客さんだけでなく、農家仲間でも知らない人が多いんです。

今回たそりあが出したのは、十角へちまと呼ばれる品種。
小学校でクラス栽培して、たわしにした、すべすべしたヘチマと違い、縦に稜線が走っているごつごつしたヘチマです。
稜線を含む皮の部分は硬くなっているので、皮をピーラーで剥いてから調理します。
皮の下は種も含めてやわらかく、種取りする必要もなく、そのまま使えます。生でも甘味があって美味しく、炒めるととろりとして、ズッキーニのような風味が出て、さらに美味しくなります。

さて、お客さんの中にもヘチマの実をご存じの方がいらっしゃいました。

閉店間際に駆け込みでお買い物にいらっしゃった方は、ヘチマがあると聞いて、2本下さい!と即買い。
またぶらりと直売所に寄って、ヘチマだけをお買い上げいただいたおじさまには、これ、味噌汁に入れると美味いんだよね、と教わりました。(たそりあ妻は昔よその直売所で買った十角へちまを炒めて食べたわずかな経験しかありませんでした)

ほほう、味噌汁に入れると美味いのか・・・メモメモ。

お客さんから野菜の美味しい食べ方を教わると、なんだか得した気になります。
昨日は、実は他のお客さんからもお野菜のレシピを教わりました。

一つはゴーヤのわたの天麩羅。
ゴーヤのわたを分離し、種を取り除きます(ただし種の殻の部分は残しておきます)。これに衣をつけて揚げたゴーヤのてんぷら(塩をつけて食べる)は、衣がサクッ、わたがとろり、種の殻がカリッと、食感の三重奏になり、とっても美味しんだそうです。

もう一つは焼きナスのバリエーション
焼きナスにとろろ芋をおろしたものをかけ、麺つゆかポン酢などをかけて食べるというもの。
これは実はお金が無い時バージョンで、お金がある時バージョンでは、とろろ芋の代わりに湯葉を使うのだそうです。

どれも美味しそう。
機会があれば、是非作って、食べてみたい!

たそりあ妻もできるだけお客さんに、お野菜の美味しい食べ方を提案していきたいと思っていますが、お客さんから美味しい食べ方を教わるのも大歓迎!
直売所に来られた方、是非マイレシピをいろいろと教えてください。

ナスをたくさん使いたい時には・・・

木曜日, 9月 2nd, 2010

夏野菜が少しフェードダウンしてきました。
が、まだまだ。
秋までひきずる野菜も少なくありません。

秋茄子は嫁に食わすな

秋はナスも美味しい季節です。
でも、美味しい秋茄子を採ろうと思ったら、切り戻しをして株の更新をはかるか、秋茄子用にわざと遅らせた播種・定植をしなきゃいけないようです。ナスだってずっとなりっぱなしでは体が疲れるわけです。

そして、直売所などに出すナスが全てではありません。
表面の傷みが激しいもの、収穫時を逃して硬くなりはじめたもの、虫喰いのもの。
こういうB級品は生産者の自家用にまわされます。
そう、生産者はぴかぴかのつやつやの採り頃の虫喰いも傷みも全く無いナスなんて、めったに食べられないんです(少なくともうちは)。

最近こういうB品のナスがいっぱい採れます。
冷蔵庫にだって入りきりません。

早く調理しなきゃ・・・
でも、畑作業で料理する時間もとれない・・・

そんな時に簡単に大量に調理できて、しかも意外とぱくぱくと食べてしまえる方法を見つけました。

塩もみです。

ナスはへたと傷んだところを除き、1cmくらいの厚さにスライスしてゆきます。スライスする方向はどうでもよろしい。
スライスした大量のナスに塩をまんべんなくまぶし、しばらく置きます。
1~2時間経ってナスがしなっとしてきたら、容器に入れて冷蔵庫で冷やして保存します。
食べる時には、この冷やしたスライスナスを軽く絞って供します。ぎゅっと絞ってもいいのでしょうが、うちではなんとなく軽くしかやってません。

これがけっこういけるんです。
特に暑い中、疲れて帰ってきたときなど、食べだすと止まりません(塩加減はかなり控え目です)。
そのままでもいいけど、おろしショウガと醤油を加えて食べるのもいいものです。

うちで使うのは、真黒黒十全なんですが、この塩もみで比較すると黒十全の方が甘味があって、味も食感も格段に上だと実感できます。
真黒だって塩もみ美味しいんだけど、比べてしまうと全然違います。
やっぱり黒十全って漬物に向いたナスなんだなあ。

そして、塩もみと並ぶB品ナス大量調理法が蒸しナス。
大きな厚手の鍋にへたを切り落としたナスをごろごろ積み重ねていって、水を少し(100ccくらい)まわしかけ、ふたをして火にかけます。沸騰してきたら弱火にしてナスがやわらかくなるまで蒸し煮にします。
もちろん蒸し器を使ってもいいですが、大量に調理したいので、できるだけ容量の大きなものを使います。

蒸しナスはそのまま(熱いままでも冷やしても)何かたれかソースをつけて、食べてもいいです。
しょうが醤油とか、練り味噌みたいなものとか、ラー油+醤油とか。
これもついつい何個も食べてしまう。
余った時にはカレーやシチューなどに、一口大に切ってぶちこんでもいいでしょう。保存はもちろん冷蔵庫で。
(この蒸しナスの方法は、師匠のお母さんに教わりました)

これから秋茄子の美味しい季節。
是非いろんな料理でいっぱい楽しんでください。

旬の野菜情報 2010.8.31

火曜日, 8月 31st, 2010

8月最後の野菜情報更新です。

相変わらずの残暑、でも夏野菜もそろそろ株が疲れてきたものが多いようです。

トマトは、ここに来て、大玉が少し採れ始めました。いや、前から採れていたんですが、実割れなどで直売に出せるようなものはなく、全部自家消費にしていたんです。

Cour di Bueは先が少し尖った、牛の心臓に似た形のトマトです(私は牛の心臓を見たことがないので、ほんとに似ているかどうかまでは知りませんが)。生で食べてもよし、加熱して調理に使ってもよいトマトです。

デリシャスは名前に反しちっともデリシャス(美味しい)じゃありませんが、このところさわやかな味がのってきました。

そして、Yellow Brandywine。明るい黄色のゴージャスな大玉トマトです。さわやかでジューシーな美味しさが魅力。

ナスでは、白い丸っこいWhite Ribbedが採れ始めました。タイのナスですが、硬めの肉質は、スライスしてソテーすると美味しいです。

Sikkimという茶色いキュウリも時々出荷しています。沖縄のモーウィという赤茶色の皮のキュウリに雰囲気が少し似ています。味が淡泊なので、トウガンのように出汁やスープで煮て食べるといいんじゃないかなあ。

ズッキーニでは、Rampicanteというイタリアのトランペット型のズッキーニが実をつけています。ただ、このズッキーニ、つる性で本来は棚仕立てにするものみたいです。うっかり普通のズッキーニのように育てたら、地這いしまくり、繁りまくりで、地面に触れた実の花落ちの側が傷んでしまうんです。でも、傷んでいない部分はスライスしてソテーにすると美味しい。

変わり種のお野菜がちょこちょことできてる8月の終わりの畑です
直売所などで会うことがありましたら、是非お試しください。

雨が欲しいっ!

月曜日, 8月 30th, 2010

パソコンの調子が悪くなってました。

時々インタネットに接続できなくなる
        ↓
しょっちゅうインターネットに接続できなくなる
        ↓
たまあにしかインターネットに接続できなくなる

という経緯を辿り、とうとう全くインターネットに接続できなくなる、というところまで辿りつきました。おめでとうございます、ゴール到達のご褒美はOS再インストールがいいですか?それともPC買い替え?
で、泣く泣くPC買うことにしました。
就農1年目はなにかと物入りです。何もこんな時を狙って壊れなくても・・・。

ほんとはつましくOS再インストールを試みて、それでもだめなら買い替えという方法を取りたかったのですが、秋冬野菜の種まき、植え付けが目白押しのこの時期、悠長にOSの再インストールなぞしてる暇はありません。
加えて、この日照り、この乾燥、最後に雨が降ったのはいつだったけ?という異常な残暑の中、予定外の作業が毎日入っています。

水遣り!

普通の年(普通の年って何?という疑問は置いておいて)ならば、畑で水遣り気にするのはニンジンくらいだと思うのですが、今年ばかりはそんなわけにもいきません。
雨が降ったら種を蒔こうかな・・・と思っていたアブラナ科の秋冬野菜の数々、連日の晴天、一週間後まで晴天、最高気温33~34℃の予約がびっしりで、雨マークの気配すら感じられない状況では、さすがにとてもそのまま蒔く気にはなれません。
仮に蒔いても発芽するのは次の雨、何日後か何週間後か知らないけれど、かなり後になるのはおそらく必須。
そんなに発芽がずれてしまったら、蒔き時は8月下旬・・・なんて書いてあっても意味ないです。
少々残暑が厳しかろうと、雨が降らなかろうと、寒くなるまでにしかるべく成長してもらうためには、何がなんでも今蒔いて、発芽してもらわなきゃ困るんです。

そのためには、水遣りが必須!

新規就農者の弱点は何かが起きた時に対応するための道具、装備、インフラが不足していることです。
水遣りしなきゃ・・・って言ったって、まずは水の調達が必要です。
そして、水を入れる道具、水を運ぶ手段、畑で水を撒く手段。

幸いにして農園たそりあでは、師匠の農場で水をもらうことができました。
水道料金はお払いするつもりだったのですが、井戸水の設備があるので、それを自由に使っていいからとおっしゃっていただきました。

水を運ぶためにはタンクをホームセンターで買って、軽トラに載せました。

最後の畑に水を撒く手段。これは地道というか、原始的というか、ジョウロを使ってます。
タンクからバケツで水を汲みだし、ジョウロに移して、水を撒いていく。これがけっこう時間のかかる作業です。まして朝と夕方と二回となれば・・・。

雨が欲しいっ!

これが最近の切実な願いです。
雨がもうだいぶ降らないので、畑をうなった後の雑草の残渣も分解が進みません。種を蒔こうとしても、畝に雑草の屍骸が分解されないまま累々と連なっているのです。この残渣がごんべえ君(播種機)の運行を邪魔します。

雨が欲しいっ!

朝と夕方の水遣りから解放されれば、OSの再インストールもできるかも。

スーダングラス

水曜日, 8月 25th, 2010

しばらく前にブログ記事 土壌分析ほんとにリン酸が少ないんだろうか? で、

 作物の育ちが悪い畑がある

 土壌分析してもらったら、リン酸、カルシウム、マグネシウムの含有量が極度に低いということが分かった

 でも、単にリン酸を補給すればいい、というだけの話なんだろうか?

という話を書きました。

リン酸については、ただ外から補給するのではなく、土壌分析の値に現れない隠れリン酸を有効利用する方向を考えた方がいいのでは・・・という考えに収束していったのですが、同じことがカルシウム、マグネシウムについても言えるんじゃないだろうか?と思い始めています。

土壌分析には、その畑の問題を解決するためには、こういう肥料を何kg投入しなさい、というアドバイスが載っています。
その数値に従って計算してみると、カルシウム不足、マグネシウム不足を解消するためには、カルシウムやマグネシウムが5割以上入った肥料(20kg袋)を何袋も投入しなければいけなくなってしまいます。

ほんとにそんなに投入する必要があるんだろうか?

お隣の畑はなんの問題もなくて、うちの畑ではマグネシウムの塊みたいなものを何十kgも入れなきゃいけないほど、土の違いがあるもんなんだろうか?

あるにしても、それは畑の表層だけの問題なんじゃなかろうか?

ある土地がかなりの深さにわたって隣の土地と成分がまったく異なってしまう・・・というのは、ちょっと不自然な気がします。
表層だけなら、それまでの畑の経緯によって、かなり差が出てくることは考えられるのですが。

もし、深いところには隠れカルシウムや隠れマグネシウムがあるのなら、それをもっと生かしてやることができないんだろうか?

深いところの資源を地上に持ってきてくれる代表格は植物です。
植物は種によって、いろいろな深さのところから、いろいろなものを吸い上げて、地上に持ってきてくれます。

その性質を有効利用したものの一つが緑肥です。

そこで調べてみると、こんなのが見つかりました。

http://to-noken.ac.affrc.go.jp/DB/DATA/027/027-163.pdf

前提が塩基が過剰になった土壌からどうやって塩基を除去するかというのが目的なため、うちのケースとちょっと違いますが、スーダングラスという緑肥がソルゴー、トウモロコシに比べて、カルシウムやマグネシウムの吸収が大きいという結果があるのだそうです。
ということは、スーダングラスを緑肥として植え、育ったらすきこんでやるということを繰り返せば、そのうちカルシウム、マグネシウムの量も増えてくるんじゃないでしょうか?

そこで、買いました!
スーダングラスの種。

これを問題の畑のあちこちに蒔いてみようと思います。

ただ、これだけでは時間がかかるので、多少はカルシウム、マグネシウムの投与も最初はやった方がいいかなと、牡蠣殻石灰を少しずつまいています(マグネシウムについてはまだ)。

スーダングラス、効果があるか?